<ア優勝シリーズ:ヤンキース5-2エンゼルス>◇第6戦◇25日(日本時間26日)◇ヤンキースタジアム

 【ニューヨーク=大塚仁、水次祥子】ヤンキースがア・リーグ優勝決定シリーズでエンゼルスを4勝2敗で下し、03年以来40度目となるワールドシリーズ進出を決めた。第6戦、松井秀喜外野手(35)は「6番指名打者」で出場。4打数無安打だったが、先発ペティットが6回1/3を1失点と好投し、守護神リベラの好リリーフなどで5-2と快勝した。自身2度目のワールドシリーズ出場を決めた松井は「どんなときも意識している」と初の世界一へ意欲を見せた。ヤンキースは28日(同29日)から、2年連続出場のフィリーズと対戦する。

 ヤンキースの守護神リベラが最後のアウトを取った瞬間、松井は三遊間に向かって走り出した。ジーターのもとにロドリゲス、テシェイラが真っ先に駆け寄って抱き合う。マウンド付近で喜び合うリベラとポサダを置き去りにして、ナインがキャプテンのもとに駆け寄った。「特に打ち合わせとかはないですよ」。日本ではもちろん、メジャーでも投手のもとで喜び合うのが通常。だが、この日は違った。苦しい年月を支えた功労者のもとに集まった。

 全員で勝ち取ったリーグ優勝だった。1点を追う4回、デーモンの2点適時打とロドリゲスの押し出し四球で逆転。ペティットが7回途中1失点で好投し、最後はリベラが異例の2イニング登板で締めくくった。松井は「本当に紙一重の試合が続いてたんで、大変な試合も多かったですけど、こうやって無事に勝てたんで良かった」。4打数無安打だったが、勝利が何よりの喜びだった。

 最後に効いたのは底力だった。大事な場面でエンゼルスがミスを連発。ゲレロが2回に走塁ミスで併殺となれば、勝負どころの8回裏には無死一塁からの犠打で一塁ベースカバーの二塁手が落球。一、二塁となった後の再度の犠打には、リリーフ登板のカズミアーが一塁へ大暴投した。試合を決定づけるダメ押し点が転がり込んできた。ヤ軍の本拠地での強さ、粘り強さにおびえたエ軍が最後は自滅していった。

 松井は常に言っていた。「もちろんプレーオフは大切。でもプレーオフに行くためには、シーズンで勝たなくちゃいけない。162試合のシーズンがやっぱり大事なんだよ」。持病の両ひざ痛を抱え、162試合を乗り切るために、今季は自らにブレーキをかけ続けた。全力で走れずにアウトになっても、シーズンを完走することを最優先に考えた。

 シャンパンファイトに沸くクラブハウスには、06年に骨折した左手首を手術したコロンビア大メディカルセンターのローゼンワッシャー医師が駆けつけていた。「良かったな。本当に良かった」と涙ながらの祝福とともに、記念撮影に仲良く納まった。「6年間はだいぶ長かったですね。いろんなことがありましたしね。でもまた、プレーすることができるんでうれしい」。ケガとの闘いを乗り越えてたどり着いた03年以来の舞台はまた格別だった。その思いを胸に、松井が人生初の世界一の座を奪いにいく。