今季は「雨男返上」? 雨に負けず、広島前田健太投手(26)が対外試合初登板を終えた。練習試合に先発し、3回を投げて1安打無失点。2三振を奪った。従来の横変化のスライダーは封印し、覚えたばかりの縦スライダーを試すなど、上々の試運転。DeNA打線だけでなく、天候との戦いも乗り越えてみせた。

 昨年は3月2日に予定していた初の対外試合(日本ハム戦)登板が降雨中止となり、公式戦に入っても、悪天候に苦しめられた。登板を雨で流すこと、実に4度。13年シーズンも3度登板予定の試合が降雨中止となる、正真正銘の雨男だ。この日の宜野湾も雨予報で“本領発揮”かと思われたが、プレーボール直前に雨が上がった。「投げられたので良かったです。普通ならできないのに、僕の力でできるようになりました」。雨男返上と胸を張った。

 雨さえなければ、あとは打者との対戦に集中するだけ。全46球中10球投じた“新球”縦スライダーで凡打や空振りを奪い「悪くなかった。ばらつきがまだあり、抜ける球もあったけど、コースを間違えないようにしたい」。27日ヤクルトとの開幕戦(マツダスタジアム)に向け「開幕を100%で迎えられるようにしたい」と断言する。調整に一点の曇りもない。【前原淳】