1号はデホ! ソフトバンク李大浩内野手(32)が、新装ヤフオクドームのチーム初本塁打を放った。楽天戦の4回、左中間席へ決勝2ラン。新設ホームランテラス席を飛び越え、従来のスタンドまで運んだ。勝負強さを買われ、今季5番に座る可能性が高い助っ人は安打、打点だけでなくアーチも量産の予感。これでチームもオープン戦負けなしの3連勝となった。

 新設されたホームランテラス席の、さらに上を飛び越えた。4回、李大浩は楽天辛島の甘い直球を見逃さなかった。早くも3万2042人が入ったスタンドを沸かせる120メートル弾で、チームをオープン戦3連勝へと導いた。

 「(テラス席のなかった去年なら)フェンスに当たったら走らなきゃいけないと思ったけど、スタンドかテラスかどっちかに入ると思った。早めに本塁打が出てホッとした。これで今年は活躍できるんじゃないかという手応えがある」

 打球の行方は従来のスタンドだったが、ホームランテラス効果で生まれた1発だった。「(球場が狭くなったことで)リラックスして打てている」。打撃練習で、昨年までフェンス直撃だった当たりがテラス席に飛び込む現実を感触としてつかんだことで、心にも余裕が生まれていた。

 昨季は全144試合で4番。今季はここまで出場した練習試合、オープン戦すべてで5番を任されており、シーズン中も勝負強さをより生かすため、5番に座る可能性が高い。だが、打順にはこだわりはない。「4番でも5番でも自分の仕事はある。どこでも自分のパフォーマンスをしっかり出さないといけない」と、発言も頼もしい。

 オープン戦3試合目で飛び出したチーム初アーチに、工藤監督は「出ましたね。打った瞬間気持ちのいい当たりでした。すごかった」とにっこり。打順については、内川、柳田の3、4番は流動的だが李大浩の5番は「固まりつつある」といい「3番が出た時の4番。3、4番が出た時の5番のいい形を作りたい」と、理想を語った。

 オリックスから移籍した昨季は19本塁打だった大砲。今季は「去年よりたくさん入ると思うし、たくさん打ちたい」と鼻息も荒い。目指すはオリックス時代の24本を上回る日本での自己最多記録。来日4年目を迎える助っ人は、打順は変わっても、変わらぬ勝負強さで、今年はアーチも量産する。【福岡吉央】

 ◆李大浩の昨年オープン戦1号 3月22日広島戦(ヤフオクドーム)でルーキー九里から1号2ラン。出場17試合、45打席目だった。前試合まで打率2割2分5厘、打点0と絶不調。李大浩は「本塁打は最後に出るのが理想」とうそぶいた。