ルートインBCリーグ、福島ホープスの岩村明憲選手兼任監督(36)が1日、福島・須賀川市内で合同自主トレを行った。あいにくの雨で土の上での練習は出来なかったが、屋根付き人工芝の練習場で、チームメートらにプレーを初お披露目。参加24選手の視線を釘付けにした。

 岩村監督が赤いバットにスプレーをかけ、ゆっくりとバッティングネットに近づいた。構えると、周りにいた選手は動きを止め、監督に視線を集中させた。ガンッ、ガンッと、静まりかえった練習場に鋭い打球音が響く。美しく力強い、約50球のトスバッティングを披露した。

 監督の動きを生で見た選手らは感動していた。富山から移籍の生島大輔内野手(28)は守備の動きをみながら「ボディーバランスがすごい」。クラブチーム茨城ゴールデンゴールズから移籍した荒竜司内野手(22)は「音からスイングから速さから、全部違う。別格です」と元メジャーリーガーの打撃に驚きつつ「監督からいろんなことを学べそう。楽しみです」と目を輝かせた。

 約5時間の練習を終えた岩村監督は「すごく視線を感じました」と笑いながらも「強みは背中を見せられること」と兼任監督の意義を語った。2月3日の視察以来1カ月ぶりに見た選手の動きには「思った以上に(練習を)がんばってきたなと思った」と満足そう。この日からユニホーム着用が解禁されたが「全員そろってないから」と、ズボン着用のみで新たな背番号1の姿はお預けとした。「練習中、なかなか休憩を取れないけど、ありがたいこと」と15日のキャンプインまで、動いて、見て、と忙しく練習に励む。【高場泉穂】