阪神横田慎太郎外野手(19)が、4日のソフトバンクとのオープン戦で甲子園デビューする可能性が浮上した。初の1軍戦となったオリックスとの練習試合(2月28日、安芸)では1安打を放ち、凡打の打席でも魅力を示した。若手中心の起用は、明日3日のソフトバンク戦(四国Cスタ丸亀=日刊スポーツ新聞社主催)までだが、未完の大器は聖地を目指してアピールを続ける。

 横田の甲子園デビューが見えてきた。1日、高知・春野で行われる予定だった西武との練習試合は残念ながら雨天中止。若手はチャンスを1試合失うことになってしまった。だが、和田監督は若手中心の起用は香川・四国Cスタ丸亀で行われる3日ソフトバンク戦までという方針を示しながらも、引き続き甲子園で出場させる選手がいることも明かした。

 「そこでまったく判断材料をなくすわけではないよ。もちろんね。打席に立つ数が少しずつ減ってくるということ。今、ファームで帯同している選手で見たい選手もいるしね」

 4日から甲子園で行われるオープン戦では鳥谷、西岡、福留、ゴメス、マートンらの主力が出場する予定。当然、若手の出場機会は減るが、横田にもチャンスがなくなったわけではない。本拠地でのオープン戦初戦に出場が実現すれば、自身にとっても“本拠地1軍デビュー”となる。

 「明後日、丸亀もあるんで。それを見てから」

 和田監督は横田の甲子園での出場については慎重に言葉を選んだが、前日2月28日のオリックス戦(安芸)では左方向への技ありのヒットという結果に加え、1打席目から思い切りよく振れるスイングに「もう少し見てみたいかな」と魅力を感じていた。それは平田ヘッドコーチも同様だ。

 「甲子園での出番? あるんじゃないのか。ああいうのを見せられると見たいと思うよね」

 4日の相手先発は日本球界復帰を果たした松坂が予定されている。昨季のパ・リーグ覇者、怪物松坂を相手に、聖地で猛虎期待の新星がデビューする。そんな期待がふくらむ。

 「チャンスをもらえたら1本打てるように頑張りたいです」

 横田は短い言葉に決意を込めた。まだ、走攻守に粗削りという評価はある。今季開幕から1軍戦力となる可能性も決して高いとは言えない。それでも、もう少し見てみたい…。そう思わせる魅力が横田にはある。【鈴木忠平】

 ▼横田は昨年甲子園で行われたウエスタン・リーグで7試合に出場。通算7打数1安打で本塁打、打点はなし。うち先発は2度で、4月16日、6月14日のいずれもソフトバンク戦。ともに「9番・中堅」で出場し、6月14日には甲子園での初安打を放った。鹿児島実時代の甲子園出場はなし。