強敵倒して開幕ローテ奪取や!! 阪神岩本輝投手(22)が開幕ローテーション入りに向けて、ハイレベルな2番勝負を課せられる。1日、先発予定の練習試合西武戦(春野)が雨天中止になり、明日3日のソフトバンク戦(四国Cスタ丸亀)にスライド登板。好投すれば、8日巨人戦(甲子園)での登板も検討される。昨季の両リーグ覇者をねじ伏せれば、一気に開幕切符は決定的になる。

 着実に開幕ローテーション入りが近づいている岩本にとって、ビッグチャンスが訪れる。この日、先発するはずだった西武戦は雨で流れたが、首脳陣は新たなアピール機会を用意。明日3日のソフトバンク戦こそ、その舞台だ。先発石崎が5イニング投げた後、4イニングを予定。遠征に来ている他の投手を差し置いても、優先的に登板機会が与えられるのは、開幕先発陣に見込まれる証拠だろう。

 この日は、安芸のブルペンで52球の投球練習を行った。見守った中西投手コーチは引き揚げ際に開幕ローテーションの5、6番手を問われると「オレの頭の中には、ある程度ある。ちょっとずつ絞り込めている状況」と不敵に笑った。さらに「石崎、金田の場合は中継ぎも両にらみ」と言う。春季キャンプ中の実戦3試合に登板して8イニング1失点と好調な岩本が「5番目の男」に位置づけられているとみていいだろう。

 プロ5年目の若き右腕が開幕ローテーションを決定的につかむためには、2つの狭き門をクリアしなければならない。まず1つ目が3日のソフトバンク戦だ。昨季、日本シリーズで苦杯をなめた相手。パ・リーグの覇者を封じれば大前進する。中西コーチは「結果が良ければ中4日での巨人戦も考える」と話す。好投すれば8日巨人戦(甲子園)へ。昨季のセ、パ両リーグの覇者を抑えれば、グイッと開幕切符を引き寄せる。

 今春キャンプでの安定感は抜群だ。投球動作のバランスはブレがない。制球だけでなく、生命線の球威も切れ味十分。この日はブルペンで山田バッテリーコーチが左打席に立ち「左膝を狙ってこいよ!」と声を掛けた。腕を振ると内角スライダーが絶妙に食い込む。フォークやカーブなども投げて、登板に備えた。岩本は「やることは一緒です。シーズンに入れば、そういう人(柳田ら強打者)たちばかり。相手も考えずに自分の投球をするだけ」と冷静だった。なみいる猛者を抑えられるか。実力を試す2番勝負になる。

 開幕投手に内定したメッセンジャー以下、岩田、藤浪、能見の順番での出陣は確定済み。岩本が開幕2カード目のヤクルト3連戦(31日~、神宮)での先発を視界にとらえ始めた。【酒井俊作】