大谷打ちでアピールせよ! 巨人原辰徳監督(56)が2日、今日3日の日本ハム戦(札幌ドーム)での大幅なメンバー変更を明かした。阿部ら主力が別調整をしている現状は、定位置取りを目指す選手には絶好のチャンス。にもかかわらず、調子の上がらない打線に「果報は寝て待て、ではない」と奮起を期待した。大谷の剛速球を打ち崩すことが、これ以上ないアピールになる。

 横殴りの雪が舞う寒さでも、巨人原監督の心は熱かった。札幌ドームでの全体練習中、三塁側ベンチ前にすっと歩み寄った。今日3日の日本ハム戦で、先発メンバーを大幅に変更する意向を示した。「模索しないといけない。期待感だけだと難しい」とクリーンアップで起用してきた亀井と大田はベンチスタート。「阿部、長野、アンダーソンがいない時こそ。寝てる間に株価が上がってはだめなんだ。果報は寝て待て、ではない。『ing』(現在いる人)が頑張らないといけない」と奮起を促した。

 キャンプでは鋭いスイングを見せていた打線の調子が、ストップ気味になっている。1日までのヤクルト2連戦で連敗。ヤクルト投手陣を打ち崩せず、2試合で計13安打3得点。しかもクリーンアップは計18打数2安打と湿った。4番大田は打者有利のカウントでのミスショットが出始め、3番亀井も本来の力を出し切れない。打線を固定するのが理想だが、割って入ってくる存在は底上げにも直結するだけに大歓迎。それだけに、原監督も「彼ら(阿部、長野、アンダーソン)がいないところでアピールしてほしいのに、逆に恋しくなってしまっているもんな」と嘆き節だ。

 そんな中、大谷はこれ以上ない対戦相手となる。昨秋から強い球を打ち返すことをテーマに取り組み、キャンプでも160キロ打撃マシン(通称・球道くん)を打ち込んできた。積み上げてきた成果を見せるには、格好の舞台だ。開幕までにアピールする時間は、そう多くはない。「みんなコンディションは悪くない。いい形を見せてほしい。今でしょ、だろ」。大谷の剛速球を思い切り打ち返すも良し、粘り強く、いやらしく攻略するも良し-。アピール合戦を、待ち望んでいる。【浜本卓也】