止めてくれるなベストメンバー! 和田阪神が開幕へギアを上げる。ここまでオープン戦出場を見合わせていた福留孝介外野手(37)が今日6日西武戦(甲子園)から出場する見通し。開幕前に1試合もベストオーダーが組めなかった昨年とは大違いの主力勢ぞろいで、本拠地で戦闘準備を整える。

 じっとしていれば震えがくるような寒さの中、福留が甲子園の芝を駆けた。本拠地での全体練習では最初のシートノックからフリー打撃、そして個別ノックまで、実戦準備OKと見える動きを披露した。

 福留 今、動いている感じは無理しているわけではないです。寒いけど、慎重にいきすぎてもいけない。試合? ぼちぼちじゃないですか。

 本人もきょう西武戦からの出場を示唆した。沖縄・宜野座キャンプでは最終クールから別メニュー調整となった。下半身の張りが原因だったとみられるが、主力組ではただ1人、対外試合未出場だった。キャンプ初日から軽快な動きを披露し、打撃でも昨季終盤の好調をそのまま継続して、快音を響かせていた。それだけに、福留がオーダーに入ることに期待が高まる。

 和田監督 出られるところまできたな。天候とかいろいろあるから、なかなか計算通りにはいかないけど、そのメンバーが出ないことには確認もできないからね。

 指揮官は当日の寒さやグラウンド状態を考慮してオーダーを決める方針を示したが、福留の実戦出場については、本人からも、首脳陣からもGOサインが出たのは間違いない。昨季の打線にプラスアルファして、鳥谷を1番に置く新打線構想を試している。その中で6番だけでなく、3番、5番を打った経験のある福留は大きな存在だ。

 昨季はキャンプ中に故障したゴメスがオープン戦終盤まで出られず、その終盤には鳥谷らが故障した。結局、最後までベストオーダーを組めずに開幕を迎えることになった。

 「そういえば、去年は組めなかったな…」

 和田監督も1年前を思い出して苦笑いだ。昨シーズン、初めてCSを制覇したメンバーがそれぞれレベルアップして甲子園にそろう。開幕へ向けた実戦準備が本格的にスタートする。【鈴木忠平】