楽天の新セットアッパー松井裕樹投手(19)に「ひゅう、153キロ!」と声が飛んだ。小山伸や則本からの冷やかしを松井は「それは球場のアレなんで…」と笑いながらかわした。テレビの表示では最速148キロも、倉敷マスカットスタジアムの電光掲示板には153キロと光った。自己最速となる数字を先輩たちから冷やかされた。

 8回の味方の長い攻撃中もキャッチボールなどで肩を休ませず、9回に登板して3連続で空振り三振を奪った。受けた小山桂からは「ここ最近で一番良かった。高めを振ってくれるのはきてる証拠。直球で空振りやファウルが取れるのはキャッチャーとしては楽」と評された。松井らしい力のある直球で追い込み、快投を演じた。

 調整がうまくいった。「まず17球やって、立ち投げをして、そこから20球投げてつくった」。前回2月28日のソフトバンク戦ではブルペンでピークがきてしまったが、この日は試合の1球目から出せた。中継ぎ転向にあたり、救援陣のほぼ全員の意見を聞いて、登板への準備を模索している。「自分に合っている調整法があると思うので、開幕までに探していけるようにしたい」とレベルアップを誓った。

 今日7日には中日戦に登板予定。連投のテストをする。「キャンプでは連日ブルペンに入ったりしましたが、ゲームとなれば強度とか張りも変わって来ると思うので、それを試したい」。松井が三振で締めればチームの士気が上がる。投球能力は申し分ない。あとは調整能力だけだ。連投テストをクリアし、勝利の方程式の一員となる。【竹内智信】