巨人西村健太朗投手(29)が「先発仕様」にモデルチェンジし、開幕ローテーション争いに踏みとどまった。阪神とのオープン戦に先発。1日のヤクルト戦では4回4四球だった反省から「ストライク先行でいこうと思っていた」と、かわさず大胆にいった。4年ぶりの5イニング登板を67球で終え、3安打無失点。「四球がなくて良かったです」とほおを緩めた。

 代名詞のシュートを、1球も投げなかった。この日は直球、スライダー、フォークの3球種だけ。1年間、長い回を投げ続けるには肘への負担を極力減らしたい。シュートは何度も自分を助けてくれた球種だが「右肘が下がるので」と先発転向を機に封印した。「小山もいい投球をしていたし、自分も頑張らないとと思っていました」。生き残りを懸けたマウンドでも投げなかったのは、先発投手としてやっていくという決意の表れだった。

 代わりに新たな武器を磨いている。直球の球速を微妙に変えて打者のタイミングをずらし、勝負どころでは思い切って内角を突いた。「シュート回転も多かったと思います」と苦笑したが、攻めの姿勢を貫いた。

 先発枠入りへの強い思いは、原監督にも届いた。「追い込んで主導権を握って投げていたね。走者を出してからもゴロを打たせていた」と適性を見た。西村は「粘り強く無四球でいきたい。ローテ争いが激しいので、入れるように頑張りたい」と、あらためて決意表明した。【浜本卓也】