オリックスの開幕投手候補、金子千尋投手(31)が11日、チームから一時離脱した。専門の理学療法士のもとでリハビリを進めるためで、13日に再合流する。昨年11月に右肘を手術後、森脇監督が指名した27日の開幕西武戦に向けてリハビリが進んでいると思われたが、意外な離脱で予断を許さぬ状況になってきた。

 金子はこの日の朝、球団トレーナーも同行して関東に向かった。専門家に意見を求めるためで、球団広報は「さらにいいやり方があるなら試してみようということ」と説明した。金子と球団の話し合いで決まったという。

 ここまで実戦登板がない金子だが、2月のキャンプ中にブルペン投球を開始。大阪に戻ってきてからも、ブルペン投球に励んできた。森脇監督は肘の悪化ではなく、次へのステップだと強調。「前進するための足運び。リハビリの方法をもう1回確認するとかね」。開幕戦については「この時点ではっきり言う必要もないだろう。順調に進んでいるとだけ、ここで言っておきます」と湧き上がる不安の声を一掃した。

 それでも万が一に備えて“布石”は打たれているようだ。来日3年目のディクソンは、12日とみられていた次回先発が明日13日の教育リーグソフトバンク戦となった。その後中6日で調整すれば開幕戦に進められる。高山投手コーチは「金子で開幕」の方針は変わらないとした。「ただ、肘を手術している。絶対そこに行くという条件がそろってないと投げさせない」と回避の可能性も示した。オリックス19年ぶり優勝の鍵を握る沢村賞右腕は、果たして開幕のマウンドに上がるのか。いよいよ目が離せなくなってきた。