日本ハム浦野博司投手(25)が開幕ローテーション入りに当確ランプをともした。11日に教育リーグ巨人戦に先発。阿部やアンダーソンら主力級が名を連ねた打線相手に好投。味方3失策に足を引っ張られたが、140キロ台のキレのある直球主体に5回5安打3失点(自責点2)にまとめた。「感覚は良かったけど、4連打されたのは反省しないといけない」と悔しげも、最低限の結果を残した。

 決死の覚悟で巻き返してきた。2月9日の春季キャンプの紅白戦。今季初実戦は1被弾を含む2回1失点だった。キャンプ中盤に右太もも内側の張りで一時、2軍でリハビリを強いられ調整が一時停止。故障明け初実戦、4日の巨人とのオープン戦で2回無安打無失点の快投。「内容よりも、結果を残さないといけない」と強い決意で進んできた。3度目の登板で、目標の先発1枠をつかむことが濃厚になった。

 プロ1年目の昨季は先発ローテに、ほぼ定着。日本シリーズ進出できていれば、ルーキーながら1戦目の先発の大役に予定されていた。大抜てきは幻になったが、それほど栗山監督ら首脳陣が高評価し、今季の飛躍を望んでいたのが浦野だった。残る4枠をベテラン武田勝と木佐貫、若手の中村と上沢に、復活を期す斎藤と争ってきたが一気に抜け出した。大谷とメンドーサは既に開幕から6人予定の先発ローテ入りが確定しており、浦野が続いた。決め手を欠き、構成が見えなかった先発陣。地道なアピールの成果で希望の光になった。【田中彩友美】