鳴尾浜に衝撃が走った。阪神ドラフト1位横山雄哉投手(21=新日鉄住金鹿島)が13日、2軍練習のシート打撃に登板し打者10人をパーフェクトに封じた。「出来すぎです」と笑う7奪三振の快投に周囲も仰天。掛布DCは「今の時代にああいうピッチャーはいないんじゃないか。広島だった川口(和久)があんな感じだったよな」と赤ヘル黄金時代を支えた139勝左腕になぞらえた。

 象徴は7人目、ベテラン藤井への4球目。「今日は全球ストライクを目がけて投げました」と話す通り、直球3球でカウント1-2に追い込んだ。4球目は勢いそのままに球速差のあるカーブを選択。外角いっぱいに決め、1度もバットを振らせることなく見逃し三振に退けた。

 プロ入り前に最速151キロをマークした豪快な腕の振りのままに投じる変化球。掛布DCは興奮気味に川口氏の名前を挙げたのだ。

 左胸鎖関節の炎症で出遅れながら、8日の教育リーグ・オリックス戦(鳴尾浜)で実戦登板。2回3安打2失点だった前回から、完成度を一気に上げた。38球を投じてボール球は8球。ストライクゾーンで勝負しての7奪三振に「前回とは全然違う。変化球はピークに近い」と笑顔が絶えなかった。

 次回は20日のウエスタン・リーグ中日戦(鳴尾浜)の先発が予想され、投球回も4~5回に増やす見込みだ。「(広島)前田さんも(オリックス)金子さんも、真っすぐがいいけれど変化球もいい」。1軍での逆襲へ、横山の目標はずっと上にある。【松本航】