いよいよ新天地での本拠マウンドに立つ。ソフトバンク松坂大輔投手(34=メッツ)が今日17日、日本球界復帰後初めて本拠地ヤフオクドームで登板する。ロッテとのオープン戦に先発予定。平成の怪物をひと目見ようとチケットの売り上げも好調。平日ナイターにもかかわらず、3万人以上のファンが集まる一戦で、平成の怪物が覚醒するか注目だ。

 休日返上の松坂が誰もいないヤフオクドームで準備を行った。30メートルのダッシュ、キャッチボールでは約50メートルの距離を力強く投げた。鮮やかな黄色の短パンと姿はラフだったが、表情は厳しかった。

 シーズン初戦は本拠での31日オリックス戦が予定されている。中6日で調整する場合、次回は24日2軍オリックス戦(神戸第2)となり、ヤフオクドームのマウンドを確認できるのは、今日17日しかない。松坂は登板前日は多くを語らないのがルーティンで、16日も報道陣にはあいさつのみ。だが、15日には「開幕までにドームで1回投げられるのはよかったです」と話しており、貴重な一戦となるのは間違いない。

 ヤフオクドームのマウンドは西武時代の06年3月30日以来3274日ぶり。ファンの期待も高く、広報担当者は「3万人は超えるでしょう。当日券の状況では3万5000人に届くかも」。平日オープン戦のため内、外野自由席が大人500円(小人100円)とチケットも格安ということも相まって、前売りの段階で売り上げも上々だ。

 松坂は日本球界復帰マウンドになった4日阪神戦(甲子園)は3回無失点ながら、4安打2四球とピリッとせず。前回10日巨人戦(長崎)は寒さもあり、こちらも本調子とはほど遠い内容。3回で64球を費やし2失点だった。今回は80球の予定。なかなか調子が上がってきていないが、松中らと名勝負を演じてきた球場で、満員のファンの視線を浴びれば、平成の怪物が一気にギアを入れる可能性も十分だ。【石橋隆雄】