日本ハムで松坂大輔投手(34)と対戦した現在は巨人バッテリーコーチを務める巨人秦真司バッテリーコーチ(52)も当時を振り返ってくれた。9回に代打で出場し二ゴロに倒れた。

 「松坂について具体的に、どんな話をしたかは覚えていません。覚えているのは、とにかく球が速かったこと。自分は大卒で、高卒ピッチャーに速いと感じることはそんなになかったんだけど、とにかく速かった。それはみんな言っていました。しかも彼はギアを2つ持っていて、勝負どころで上げることができた。当時の日本ハム、非常に強力打線だったんです。打てるだろうと。でも、打てませんでしたから。松坂は変化球も含めて、投手として出来上がっていた。野手もなんですけど、特に投手は高卒1年目から活躍することは難しい。桑田もマー君もそうだったけど、それがプロ。松坂は違いましたね。しかも当時は今と違って、プロとアマの距離が少し、遠かった。プロ経験者がアマチュアを指導することが、簡単なことではなかった。だからこそ、松坂はすごいな、と思うんです」。

 取材を重ねれば重ねるだけ、松坂の投球が、多くの人の心を揺さぶったことが分かった。個人的にも、松坂の2015年の投球が待ち遠しくなった。【矢後洋一】