ロッテの英ちゃんが、日本ハムの佑ちゃんと投げ合う。京大初のプロ野球選手、ロッテ田中英祐投手(23)が今日24日のイースタン・リーグ日本ハム戦(鎌ケ谷)に先発する。相手先発は斎藤佑樹投手(26)で、注目の一戦を経て、1軍デビューとなる29日西武戦(QVCマリン)に臨む。

 デビュー戦に向けた最終登板は、同じくルーキーの頃から注目を集めてきた斎藤との投げ合いとなった。田中は23日、埼玉・浦和の2軍練習場でキャッチボール、ショートダッシュなどをこなし、室内マウンドで投球フォームの確認を行った。「打ち取る形をしっかり考えたいですね」と、イメージをふくらませた。

 「英ちゃん対佑ちゃん」が実現することで、今日24日は2軍戦としては異例のテレビカメラ10台が取材予定。注目の一戦となったが、「相手投手は意識しません。自分の投球をするだけです」と断言した。1軍昇格前の大事な登板だ。2軍で取り組んできたことの集大成の場とする。

 ただ、斎藤とはちょっとした縁がある。早実・斎藤が駒大苫小牧・田中(現ヤンキース)と壮絶な投げ合いを演じた06年夏の甲子園。当時、14歳だった田中は、テレビで両校の決勝戦、さらに翌日の再試合を観戦した。「面白かったです。高校生で、あんなに投げられるんだ。すごいなと思いました」と記憶に刻み込んだ。

 続きがある。田中は兵庫・高砂市出身。その年の秋、斎藤が出場した国体は、高砂市営球場で開催された。「家のすぐ近くなんです」。観戦には行かなかったが、盛り上がりを覚えている。その斎藤と投げ合うのも、やはり縁というもの。2軍戦は、ここまで3試合に投げ、19回でわずか1失点、防御率0・47。「だいぶ力を抜いて、バランスを確認して放れています」。手応えを持続して、1軍初登板につなげる。【古川真弥】