立命大が2季ぶり35度目(旧リーグを含む)の優勝を決めた。同大3回戦で古川昂樹主将(4年=立命館宇治)の先制適時打など15安打15得点の猛攻で圧勝し、勝ち点5を奪取。エース桜井俊貴(4年=北須磨)は大学21勝目を挙げた。全日程が終了し、82年の新リーグ発足後最多となるシーズン25安打を記録した古川が、最優秀選手と首位打者(4割4分6厘、56打数25安打)を獲得した。4勝無敗の立命大・西川大地(4年=高知)が最優秀投手賞を受賞した。立命大は来月8日開幕の全日本大学選手権に出場する。

 エース桜井が、MVPの古川が、歓喜の輪で1つになった。今季5勝の成長でドラフト上位候補の評価をつかんだエースは「日本一への通過点です」と道半ばと言いながらも、喜びを隠せなかった。

 昨秋の最終節で同大に負け越し、関大に優勝をさらわれた。1勝届かなかった無念が現チームの出発点になった。

 昨秋の最終戦、1点を追った9回2死満塁で中飛に倒れた最後の打者が古川だった。「一番悔しい試合」を忘れずにバットを振り込み、スイングスピードを上げた。「追い込まれても三振を恐れず速球にも対応できるようになった」。近大藤田(現楽天)の記録更新の25安打は、そのたまものだ。

 就任1季目の後藤昇監督(54)は「1月に“優勝します”と宣言したから大変でした」と笑った。9回1死で桜井から福本拓也(4年=立命館宇治)に代えた。「桜井、西川がいてもずっとブルペンで投げていた。1つ報いてやりたかった」。指導力も情も持ち合わせ、母校を16度目の春の全国に導いた。【堀まどか】