南海(現ソフトバンク)や巨人などでプレーし、26日に肺がんのため68歳で死去した富田勝氏の葬儀・告別式が、大阪市内のやすらぎ天空館で営まれた。法大時代の恩師・松永怜一元監督や星野仙一氏ら約200人が参列した。

 別れを惜しみ、4人が弔辞を読んだ。松永氏、星野氏に続き「法政三羽がらす」と呼ばれた1人の田淵幸一氏は涙ながらに別れの言葉を贈った。「本当にいいやつ。大好きだよ。もっと一緒にいたかった。50年間付き合ってくれてありがとう」。初めての出会いから意気投合。プロ入り後、70年に田淵氏が頭部に死球を受け入院したときには故人が南海のユニホームを着たまま見舞いに駆け付けてくれたことで2人の絆はさらに固くなったという。

 最後は法大時代にともに松永元監督からの連日ノックで鍛えられた山本浩二氏。「もし1人だったら(練習に)付いていけなかったかもしれない。良き仲間であり、ライバルであり、素晴らしい人間」。優しい口調で後輩思いだった人柄に触れた。「三羽がらすの1人が飛んでいきました。でも、待っていてくれよ。向こうに行っても三羽がらすでやっていこうな。それまで待っていてくれ」。涙をこらえながら、変わらない友情を誓った。