4年ぶりにそろって初戦を突破した北海道勢2校は、ともに8強の壁に阻まれた。97年以来18年ぶりの準々決勝進出を狙った東農大北海道(北海道学生)は、上武大(関甲新学生)に7回コールドで敗れた。4強入りした昨秋の明治神宮大会準々決勝で下した相手に雪辱された。

 東農大北海道を悪夢が襲った。2回だ。2死から1イニング連続安打の大会タイ記録となる7連打を浴びた。9長短打で大量8失点。勝敗はほぼ決した。何とか挽回しようと6投手をつぎ込んだが、打線が散発3安打に封じられ、追い上げもかなわず。3打数無安打の4番樋越優一主将(4年=千葉経大付)は「自分のせいで…」と責任を背負い込んだ。

 秋への収穫もあった。登板したルーキー3人中、2人が結果を残した。5回途中から5番手で登板した左腕、西本黎哉(富士見)は、先頭に内野安打を許したが、2回を無失点に抑えた。6番手で7回に送り出された196センチ右腕アドゥワ大(九州国際大付)は、直球勝負で1イニングを無安打。追加点を許さず、ともにスコアボードにゼロを刻んだ。

 「どんどん攻めてミットをめがけて投げた。思ったよりボールが行っていた」とアドゥワ。「誰もが立てる場所じゃない。1年目で良い機会をもらえた」という西本は「頼れる投手になって秋、神宮に立ちたい」と続けた。悔しい大敗の中、得難い経験を積んだ2人は、全国舞台再訪を期していた。【保坂果那】