2部1位の秋田大が1部6位の岩手大を破り、20年ぶりの1部復帰に王手をかけた。打線は11安打で5得点。2年生右腕の武田宗大(かずひろ=鶴岡南)が4安打2失点(自責1)に抑え完投した。77年まで全日本大学選手権2度出場の名門が、復活へ勢いをつけた。

 秋田大が試合の主導権を握り続けた。1回裏2死走者なしからクリーンアップの3連打で2点を先制。これでリズムに乗った。3、7回にも2死からタイムリーで加点した。武田は鋭いスライダーを交えてテンポよく投げ込み、4安打1死球6三振で完投。バックは好守備でもり立てた。

 「昨秋からほぼ同じメンバー。冬の練習をみんな頑張り、成果が出てきた」と監督役の高橋慧コーチ(大学院2年=秋田南)はナインの成長を指摘した。春季リーグで5勝を挙げた武田は175センチ、64キロ。「冬に筋力トレーニングに励み、だいぶ体力がついた。でももっと体重を増やさないと」という。

 春季リーグは8勝2敗で盛岡大と同率。優勝決定戦で延長11回タイブレークの末4-3で勝ち、04年以来22季ぶり2度目の優勝を果たした。04年は入れ替え戦に敗れ、1部昇格はならなかった。あと1勝で20年ぶりの1部復帰。荒井俊樹主将(3年=大田原)は「過去にとらわれず、自分たちが1部をつかむ。明日も勝つ」と力を込めた。【北村宏平】