侍ジャパンもキヨシに学ぶ! 11月に日本と台湾で行われる第1回「WBSC世界野球プレミア12」の1次候補選手65人が都内で発表された。小久保裕紀監督(43)は、DeNA中畑監督の選手起用に刺激されたことを打ち明けた。日本一となった98年以来17年ぶりに前半戦を首位で折り返した要因に、今回選考した新人山崎康の存在がある。「中畑監督が抑えで使ったから今年の活躍がある。選手を固定観念で見ないことが勉強になった」と話した。

 ドラフト1位の山崎康は当初、先発で期待したが力を発揮できなかった。思い切った配置転換による変身を小久保監督は参考にした。だから4番中田以外の位置、打順は全くの白紙だ。「28人の編成を見て決めたい」と、最後まで適性を見極めていく。

 選考には小久保流を反映した。各球団のバランスは度外視した。その結果、最多の西武が11人。優勝争いをしている阪神が2人だけとなった。「正直、各球団何人ずつというような発想は全くなかった。あくまで今年の活躍を見て決めた。西武にはレベルの高い選手がそろっている。結果的にそうなった」。もちろん人気は度外視だ。

 あくまで今季の成績重視の中で、実績は加味した。だから現状では故障で欠場している楽天銀次やロッテ今江も入った。あくまで11月が標的だ。「そこで最高のパフォーマンスを出せる選手を選びたい」。小久保色にキヨシ流も加え、ニュー侍がスタートを切った。【矢後洋一】

 ◆プレミア12 世界野球ソフトボール連盟(WBSC)が主催し新設された国際大会。プロも参加し、世界ランキングの上位12チームが出場。6チームずつの2組に分かれる1次ラウンドは、11月8日に日本-韓国(札幌ドーム)で開幕。各組上位4チームが台湾で16日に行われる準々決勝に進む。19、20日の準決勝、21日の決勝は東京ドームで行われる。今後も4年に1度、五輪の前年に開催され、野球が実施競技に復活した場合は五輪予選となる見込み。