2年ぶり38回目の出場となったヤマハ(浜松市)が1発攻勢をみせ、三菱重工長崎(長崎市)を撃破した。4回に先頭打者の3番矢幡勇人(25)が先制本塁打。6回にも右前安打で出塁し、4番佐藤二朗(35)の2ラン本塁打につなげ、今年1月に就任した美甘将弘監督(41)に本大会初勝利をプレゼントした。明日25日にはJR東日本東北(仙台市)との2回戦に臨む。

 中軸が期待に応えた。ヤマハは4回裏、先頭打者の矢幡がインコース高めの直球を、チーム初安打となる本塁打を左翼席にたたき込んだ。6回裏1死でも右前安打で出塁。俊足を生かして盗塁を成功させ、続く佐藤の2ラン本塁打につなげた。矢幡は「インコースは好き。感触と角度はいい感じでした。序盤からゼロが続いてチームを盛り上げようと思った」と満足顔。佐藤も「矢幡が出てチャンスだと。1本(本塁打が)出て勝つとうれしい」と3番に感謝した。

 「1、2年目は結果が出ずに苦しんだ」と振り返る矢幡は3年目の今年から3番に入る。嶋岡孝太コーチ(34)と話し合い、俊足を生かすためにゴロを狙う打法から長打を意識したスイングに変更。都市対抗予選5試合でも1本塁打を含む4割というチームトップの打率を残してきた。本大会初勝利を贈られた美甘監督も「(矢幡の)先制の一打で流れができた。今日の1勝は忘れられない1日になる」と喜んだ。

 明日25日はJR東日本東北との2回戦だ。2年ぶりの大舞台に矢幡は「ドームはいいです。緊張もあるが、ここでやれる喜びがある」と意欲満々。ヤマハが1発攻勢で勢いづいた。【藤中栄二】