独立リーグの四国IL・高知に所属する藤川球児投手(35)が貫禄の投球を見せつけた。21日、高知市営球場で行われた徳島戦に先発。今季最長の6回を1失点にまとめて、9三振を奪った。

 プレーボール直後から全開だった。先頭打者を速球で攻め、フォークで空を切らせる。次打者にはズバッと内角に直球を突いて見逃し三振。3者凡退で好発進した。最速147キロの速球のほかスライダーやフォークなど変化球を駆使。「試合はいろいろ動く。そのなかで、どう対処するか」。3回まで打者10人から6三振を奪う快投ぶりだった。

 7日愛媛戦で、5回無失点12奪三振。前回登板の14日愛媛戦も5回無失点だった。打者を寄せつけず、この日の4回に1点を奪われるまで、13イニング無失点を重ねた。米大リーグのレンジャーズから高知に移籍し、6月20日が国内復帰戦だった。2カ月がたち、速球の球威は上がってきた。

 藤川は「1カ月はかかると思っていた。日本のマウンドに戻ってきて、自分なりに時間をかけて、頭で描いた通り」と言う。制球、そして、投球の組み立ても健在だ。格下相手とはいえ「Kラッシュ」が、いまの充実ぶりを物語っている。