阪神ネルソン・ペレス外野手(27)がこの日初昇格し、6番右翼でタテジマ初出場。初回の第1打席は左腕ポレダも苦にせず、二塁への強烈なライナーで沸かせた。2打席目は変化球で空振り三振したが、6回の第3打席は宮国のフォークを見極めて四球出塁。2打数無安打で交代したが、3位死守の切り札として希望を抱かせる内容だった。

 ペレス この瞬間を待っていたし、楽しんでゲームに臨めた。積極的にいった結果が、ああいうスイング(二直)になったし、ボールゾーンを見極められたことも大きな収穫。チームが勝ててすごくうれしいよ。

 6月に独立リーグBC石川から加入したが4つの外国人枠が空かず、2軍暮らしだった。だが腐らず、鳴尾浜で黙々と汗を流し続けた。3カ月の2軍公式戦でチーム最多の14発を量産。呉昇桓の故障離脱により、ついに140試合目で出番が巡ってきた。

 マートン、ゴメスと並び、スタメンで助っ人野手3人が同時出場するのは外国人出場枠が制度化された02年以降、球団では初めて。試合前には2人の先輩助っ人にも大歓迎され「たくさんアドバイスをもらった」という。そんなペレス効果もあってか、初回にマートンの適時打など2点を先取。残り3試合、勝利の使者としてCSに導く意気込みだ。

 ペレス 残り試合も積極的にいく。ベストを尽くし勝利に貢献したい。

 本来の右翼福留の体調も万全ではなく、今日29日のDeNA戦も連続先発の可能性がある。【松井清員】

 ◆ネルソン・ペレス 1987年11月16日、ドミニカ共和国生まれ。07年から米大リーグのカブス傘下などでプレー。マイナー通算8シーズンで82本塁打。13、14年に在籍したメキシカン・リーグ(3Aに該当)では18本塁打。今季からBCリーグ石川に所属し、6月中旬に阪神入団。特技はバック転。推定年俸は1000万円。191センチ、98キロ。右投げ左打ち。

 ▼阪神はマートン、ゴメス、ペレスの外国人野手3人が先発出場。外国人野手3人の同時出場が可能となった02年以降、球団初となった。02年以降14年まで、阪神に外国人野手3人が在籍したのは09年のバルディリス内野手、メンチ外野手、ブラゼル内野手だけ。しかし、メンチは同年5月18日に出場選手登録を抹消されて以後は1軍で出場しておらず、ブラゼルは同年5月28日に契約しシーズン途中からの出場となっており、3人同時の出場選手登録はなかった。