プロ野球巨人の福田聡志投手が野球賭博に関与していた問題が5日、発覚し、新国立競技場の整備費確保などのためにスポーツ振興くじ(サッカーくじ)の対象をプロ野球に広げる議論には、大きな打撃となった。対象拡大には選手の不正行為が最大の懸念材料だっただけに、スポーツ庁関係者は「激震だ」と語り、新国立競技場の財源への影響が心配される。

 超党派のスポーツ議員連盟は2020年東京五輪・パラリンピックのメーンスタジアムとなる新国立競技場建設の財源に充てるため、近年売り上げが好調なくじの対象に野球を加え、さらに売り上げを増やす青写真を描いていた。議連プロジェクトチームの座長を務めた遠藤利明五輪相は「野球が対象になるのはインパクトがある。(対象拡大で)売り上げは2割くらい増えてくれるとありがたい」と話していた。

 一方で、野球賭博との関わりで選手が八百長行為をしたとされる「黒い霧事件」の反省から、球界にはくじの対象になることに抵抗感があり、議連も慎重に検討を進める方針だったが、再検討を迫られそうだ。