よし、CSは藤浪がフル回転や! セ・リーグの最終戦、広島の敗戦で転がり込んできたCS切符。当初からファーストステージの初戦、10日の先発が確実だった阪神藤浪晋太郎投手(21)は、中4日で次戦をにらむプランが浮上した。CSファイナルステージに進出した際は第2戦、15日の先発に回る構想。若き大黒柱が、日本一への道を駆け抜ける。

 日本一には藤浪の力が必要だ。巨人とのCSファーストステージ(東京ドーム)の初戦、10日の先発が濃厚。ファーストステージが第3戦までもつれ、さらにリーグ覇者ヤクルトとのファイナルステージに進出となれば、中4日で同ステージ第2戦の15日先発に回る可能性が出てきた。球団関係者は藤浪のフル回転に「あることはある」と話した。

 V争いをしていたシーズン佳境は2度の中4日調整で首位ヤクルトを封じるプランも浮上していた。チーム状況により、中4日は実現せず、間隔が空いたローテーションが組まれた。しかし、短い登板間隔でも大丈夫だという判断が下されていた。今季は3年目で自身最多の14勝。シーズン同様に先発の大黒柱として、チームに勝ちをもたらす右腕に期待がかかっていることは間違いない。

 他力本願ながらCS進出の可能性があった7日。甲子園で行われた全体練習に参加し、キャッチボールやロングダッシュで汗を流した。運命の一戦では、今季限りで現役引退する中日山本昌が史上初の50歳登板を成し遂げた。オフのイベントで交流のある藤浪は「僕は30年も野球はできないと思います。すごく情熱がある方だと思います」とレジェンドの存在感に圧倒された。自身の人生設計を聞かれると「(プロ生活は)14年ぐらいかな。長くやりたいとは考えていない。太く濃い野球人生を送って、昔、阪神に藤浪といういい投手がいたなと言われるような投手になりたい」と熱く語った。

 日本一の望みは消えていない。「今年は優勝できた年だったと思います。9月に狙える位置にいて、落ちていったというかたち。モチベーションの持ち方が難しいですよね」と話していたが、15年シーズンの1ページに名を刻むチャンスは残った。藤浪が巨人、そしてヤクルトを倒しにかかる。