広島緒方孝市監督(46)が8日、マツダスタジアム内の球団事務所で松田元オーナー(64)にシーズン報告を行った。3年ぶりのBクラスとなる4位に沈んだことを謝罪。その後、補強ポイントやチームの再建方法を話し合ったという。緒方監督は、14日からの秋季練習で再び強さを求めることを宣言。反省と発展のスタートを切る。

 スーツ姿の緒方監督は懸命に気持ちを切り替えた。前日7日の最終戦中日戦でシーズンが終わり、3年ぶりのBクラスが決まった。松田オーナーへの報告では謝罪から行った。「こういう成績になり、申し訳ありませんと伝えた」。期待を受けながら結果が伴わなかったことをわびた。

 松田オーナーからは「気持ちを切り替えて1つ1つ立て直してくれと言葉をかけていただいた」。つい半日前までは、目の前の試合に勝つことにいっぱいいっぱい。頭の中にはCSの構想も入っていた。「現実を見つめて、切り替えて、1つ1つ作り直します」と前を見つけた。

 14日からの秋季練習から再スタートを切る。今季の反省から課題は明確だった。先発は4本柱がそろいながら、得点力不足に泣いて試合を落とした。決定機で1本が出なかったことを踏まえ「外国人の力も必要だが、個々のレベルを上げること」とした。さらに「根本から考え直していかないと。強さ、速さが必要」と基礎を見つめ直す方針だ。

 守備側にももうワンランク上を求めた。若い力の成長を実感しつつも「みんながマエケンみたいになれるわけではないけど、チーム全体として1つ階段を上がりたい」。人工芝での連戦や、悪天候ではミスが相次いだことを振り返り「ミスも出るものだけど、勝ちきる、勝ち続けるには投手を中心とした守り」。根気強く反復練習を続けていくとも明らかにした。

 自身の反省もある。ミスの連鎖を止められなかった原因や、好機でたたみ掛けられる雰囲気づくり。タクトの振り方は正しかったか、指導不足は…。すべてを含めて再スタートの秋となる。秋季キャンプに向けても、もう1度方向性を確認する。反省を踏まえ、勝負どころに強いチームを作り上げていく。【池本泰尚】