早大・重信慎之介外野手(4年=早実)が自慢の足でプロの扉を開く。50メートル5秒7の快足が最大の武器で、一塁到達の平均タイム3秒7はプロでもトップクラスだ。東京6大学リーグ通算81試合で現役最多の38盗塁を積み重ねてきた。

 プロ入りを意識したのは、わずか2年前だった。早大入学時は二塁手。同じポジションには、14年ドラフトでロッテに1位指名された中村奨吾内野手がいた。代走要員としてベンチ入りしていたが「レギュラーで試合には出られない。打撃より走塁面を研究しようと思った」と、自慢の足にさらなる磨きをかけた。

 ライバル校の視察では、チームメートが投手の球種を確認するためにバックネット裏に陣取る中、1人で一塁側スタンド最前列に座る。メモ帳とストップウオッチを持参し、投手や捕手の癖を分析。「情報を集めたことで、自信を持って走れるようになった」と一気に盗塁数を増やした。

 今秋リーグ戦では打率リーグトップの4割1分4厘と打力もアピールしている。調査書は10球団から届いた。「短距離走で勝てない相手はいない」と言い切る重信が、さらなる大舞台に羽ばたく。【鹿野雄太】

(連載おわり)