関東学院大(神奈川大学リーグ)の若林篤志投手(21=北海道栄)が、今日22日のドラフト会議(午後5時~、東京・グランドプリンスホテル)での指名を待つ。大学では入学直後からベンチ入り。リーグ通算防御率1点台と結果を残した最速144キロ左腕は、プロ3球団に調査書を提出している。

 関東学院大の7季ぶりリーグ制覇は、21日の第1試合で桐蔭横浜大が勝った瞬間、夢と消えた。それでも若林は第2試合の神奈川大戦に2番手で登板、エースの責任を全うした。今日22日、リーグ最終戦があり、運命のドラフトが控える。調査書は3球団に提出済み。不安と期待の入り交じった心境を「プロに行けるか気になって、すごくモヤモヤしています」と正直に明かした。

 北海道栄高を卒業後「自分を高める」目標を掲げ、当時、リーグ優勝53回(現在54回)の名門の門をたたいた。1年目の夏は、北海道では経験のない熱気に悩まされた。寮からグラウンドに向かう道すがら、照り返しの強さに気を失いかけたことも。「必ず片手に水を持って練習に向かった」という。

 1年秋のリーグ戦でデビュー、2年春は3勝で新人賞を獲得した。打者の内角をえぐるキレのある直球を武器に、相手打者のバットを何本もへし折った。今春は先発、抑えで12試合中9試合に登板。リーグ最多の7勝、5完投というタフネスぶりを発揮し、ベストナインに輝いた。「筋肉がフワフワしている、とよく言われます。全く故障しないので、何度でも投げられる」と笑う。

 巨人杉内らをお手本に、投球を磨いてきた。「杉内選手のDVDは毎日のように見ています。脱力した、ゆったりとしたフォームが理想」。時間が空いた時は、DeNAの2軍戦などにも足を運び刺激を受けてきた。関東学院大の鈴木聡監督(44)は「調子が悪くても試合をつくれる精神力が魅力。上のレベルで技術的な部分を身につけた時、どうなるのか楽しみ」と期待する。

 「札幌ドームで投げたい気持ちはありますけど、球団はこだわりません。先発でも、中継ぎでも、抑えでも、見てくださった方の印象に残り、いつも期待してもらえるピッチャーになりたい」。プロ入りへの思いを胸に、吉報を待つ。【中島洋尚】

 ◆若林篤志(わかばやし・あつし)1994年(平6)1月5日、東京都生まれ。札幌東札幌小2年で東札幌ジャイアンツで野球をはじめ、左投げ捕手として6年の時に全道優勝。東海大四中2年で投手に転向。北海道栄高では2年秋から主将、3年春の全道4強。関東学院大では1年秋に初登板、2年春フレッシュマン賞、4年春ベストナイン獲得。家族は両親と弟妹。179センチ、73キロ。左投げ左打ち。