広島から7位で指名された高校通算46本塁打の山形中央・青木陸内野手(17)が5日、山形市内のホテルで契約金2000万円、年俸450万円(いずれも推定)で仮契約を結んだ。長打力と勝負強さに加え、端正なマスクの3拍子そろった右打ちの和製大砲が、1年目から三塁の定位置奪取を誓った。

 端正なマスクの青木の顔がほころんだ。広島近藤芳久スカウト(50)は青木の印象について「イケメンですね」と即答。会見後に青木は、カープ女子に代表される広島ファンに向け「伝えるものじゃないけど、泥臭さ、必死さをアピールしていきたい。応援される人になりたい」と夢を口にした。

 今季広島が固定できなかったホットコーナーに殴り込みをかける。高2冬から捕手に転向したが、プロでは本職の三塁で定位置獲得を目指す。退団が決まった同郷山形の先輩・栗原2世の期待がかかる青木は「1年目からズムスタでやるという気持ちでやらないと。がむしゃらにやりたい」と決意を新たにした。近藤スカウトも「堂林と競わせる」とイケメン三塁対決の構想を披露した。

 悲願が成就した。昨年1学年上のエース石川の日本ハム4位指名に触発された青木は、ドラフト会議翌日の10月25日、庄司秀幸監督(39)に宣言した。「絶対プロに行きます」。庄司監督も「お前のバット1本で甲子園に導いてみろ」とハッパをかけた。今夏は県4強で敗退したが、愛弟子のプロ入りに庄司監督は「過去に送り出した3人よりも、青木の意識が一番高かった。上でやらせてあげたかった」とねぎらった。

 過去の先輩たちは契約金で、母校への設備投資を欠かさなかった。08年の鈴木(元ソフトバンク)はピッチングマシンを、14年の横山(阪神)はブルペンの屋根、石川は外野の可動式フェンスを寄贈した。青木は「これから監督と相談して決めます」と孝行息子ぶりを見せつけた。

 12月7日に広島市内で入団会見に臨む。「プロの投手と全員対戦したい。長打力、打点の稼げる選手になる」。山形産のイケメン和製大砲は1年目から、うなりを上げる。【高橋洋平】