プレミア12に挑む侍ジャパンが苦しみながらもサヨナラ勝利を飾った。先発の菅野智之投手(巨人=25)が初回にボークで先制を許すと、4回には武田翔太投手(ソフトバンク=22)が2点目を奪われた。打線は再三の好機を生かせず、6回に暴投で1点を奪うのがやっとだったが、9回に秋山翔吾外野手(西武=27)の適時打で追いつくと最後は嶋基宏捕手(楽天=30)が執念のサヨナラ打を放った。

 日本は8日、札幌ドームで韓国との1次ラウンドB組初戦を迎える。



チーム
プエル
日 本2X

【日】菅野、西、武田、牧田、小川、沢村、山崎

【プ】フォンタネス、F・ゴンザレス、ブルゴス、ロサ、ソレール、フエンテス、アヤラ

9回裏1死一、二塁、嶋は左前にサヨナラ打を放ちナインに迎えられる(撮影・今浪浩三)
9回裏1死一、二塁、嶋は左前にサヨナラ打を放ちナインに迎えられる(撮影・今浪浩三)

<1回表>

日本先発の菅野は先頭のJ・ゴンザレスに中前打を許す立ち上がり。1死後、盗塁と暴投で走者を三塁へ進められる。3番ソーンにファウルで粘られカウント3-2からボークで三塁走者が生還。まさかの形で先制される。菅野は初回だけで25球を要した。

1回表1死三塁、ボークをとられ先制点を許す菅野(撮影・江口和貴)
1回表1死三塁、ボークをとられ先制点を許す菅野(撮影・江口和貴)

<1回裏>

日本はプエルトリコの右腕フォンタネスに対し1番秋山が初球を叩き、二塁手のグラブを弾く中前打で出塁。しかし2番中村晃が一ゴロ併殺打、3番山田も左飛と後が続かず


<2回表>

菅野は先頭の5番サントスに左翼フェンス直撃の二塁打を許すも後続を断ち、最後は8番アルベロからフォークで空振り三振を奪う


<2回裏>

先頭の4番中村剛が右手甲付近に四球を受ける。小久保監督も心配そうに見守る中、治療のためベンチ奥へ。代走に川端(ヤクルト)が送られる。5番筒香は二ゴロ併殺打、6番中田も中飛に倒れこの回も後が続かず

2回裏日本無死、右手に死球を受けた中村剛(撮影・江口和貴)
2回裏日本無死、右手に死球を受けた中村剛(撮影・江口和貴)

<3回表>

日本は2番手西(オリックス)が登板。代走の川端がそのまま指名打者に。西は2死から2番ロペスに中前に落とされ走者を出すが、捕手中村悠が好送球できっちり盗塁を阻止する

日本対プエルトリコ 日本2番手の西(撮影・江口和貴)
日本対プエルトリコ 日本2番手の西(撮影・江口和貴)

<3回裏>

プエルトリコは2番手F・ゴンザレスが登板。7番松田は一飛、8番坂本は見逃し三振、9番中村悠は三ゴロに倒れ三者凡退


<4回表>

日本は3番手武田(ソフトバンク)が登板。1死後4番シルバに四球、5番サントスに一塁線を破られ一、三塁とされる。6番ヒメネスの右犠飛で1点を失う。7番L・リベラは得意のカーブで空振り三振

日本対プエルトリコ 3番手で登板した武田翔太(撮影・栗木一考)
日本対プエルトリコ 3番手で登板した武田翔太(撮影・栗木一考)

<4回裏>

先頭の1番秋山がしっきり見極め四球で出塁し、すかさず二盗に成功。2番中村晃もストレートの四球で一、二塁とチャンス拡大。3番山田は中飛に倒れ、プエルトリコはここで3番手左腕ブルゴスを投入。4番川端は変化球を打たされ一ゴロ。2死二、三塁で5番筒香が歩き満塁とするが、6番中田は中飛に倒れ好機を生かせず


<5回表>

武田は9番J・リベラから空振り三振を奪うなどテンポ良い投球で三者凡退に抑える


<5回裏>

日本は7番松田が中飛、8番坂本が投ゴロと簡単に2死も9番中村悠、1番秋山が連続四球で一、二塁とする。プエルトリコはここで4番手左腕ロサが登板。2番中村晃は初球を打ち上げ中飛に倒れ、この回も反撃ならず


<6回表>

日本は4番手牧田(西武)が登板。先頭の2番ロペスから内角直球で見逃し三振を奪う。3番ソーンに左前打を許すも2死から5番サントスを変化球で空振り三振に仕留める

日本対プエルトリコ 日本4番手の牧田(撮影・江口和貴)
日本対プエルトリコ 日本4番手の牧田(撮影・江口和貴)

侍ジャパン暴投で1点返す

<6回裏>

先頭の3番山田が三遊間を破り出塁。代走に中島(日本ハム)が送られる。中島は4番川端の2球目に暴投で二塁へ。川端の一ゴロの間に三塁へ進む。5番筒香は捕邪飛に倒れる。プエルトリコはここで5番手右腕ソレールが登板。6番中田の初球が暴投となり、日本が1点を返す。ベンチの小久保監督は腕組みで立ったまま厳しい表情を崩さず。中田は空振り三振に倒れる

6回裏日本2死三塁、暴投で中島が生還するも厳しい表情の小久保監督(撮影・江口和貴)
6回裏日本2死三塁、暴投で中島が生還するも厳しい表情の小久保監督(撮影・江口和貴)

<7回表>

日本は5番手小川(ヤクルト)が登板。代走の中島が山田に代わりそのまま二塁、筒香に代わり平田(中日)が9番左翼、中村悠に代わり炭谷(西武)が5番捕手に。小川は2死から連打で一、二塁とされたが最後は1番J・ゴンザレスを直球で見逃し三振に仕留める

日本対プエルトリコ 日本5番手の小川(撮影・江口和貴)
日本対プエルトリコ 日本5番手の小川(撮影・江口和貴)

<7回裏>

先頭の7番松田は遊ゴロ。8番坂本が中前に運ぶ。9番平田はタイミングを外され空振り三振。プエルトリコはここで6番手左腕フエンテスをマウンドへ送る。1番秋山が初球を三塁線への絶妙なセーフティーバントで2死一、二塁とし同点のチャンスも、2番中村晃が打ち上げ中飛に倒れ無得点


<8回表>

日本は6番手沢村(巨人)が登板。沢村は先頭の2番ロペスからフォークで空振り三振を奪うなど三者凡退に退け好投を見せる

日本対プエルトリコ 8回表からマウンドに上がり無失点に抑えた沢村(撮影・今浪浩三)
日本対プエルトリコ 8回表からマウンドに上がり無失点に抑えた沢村(撮影・今浪浩三)

<8回裏>

3番中島が遊ゴロ、4番川端が一ゴロに倒れ2死。プエルトリコはここで7番手右腕アヤラが登板。5番代打今宮(ソフトバンク)が中前に弾き返す。6番中田の3球目に今宮が盗塁に成功し、中田が歩き一、二塁と一打逆転のチャンス。松田は左飛に終わり、この日の日本は好機でことごとく打てず


<9回表>

日本は7番手山崎(DeNA)が登板。代打今宮がそのまま入り二塁、3番に嶋(楽天)が入り捕手。山崎は先頭の5番サントスにエンタイトル二塁打を許すも1死後、7番L・リベラから変化球で空振り三振。8番メンデスを歩かせ一、二塁とピンチを招いたが9番バントーハを空振り三振に仕留める

日本対プエルトリコ 日本7番手の山崎(撮影・江口和貴)
日本対プエルトリコ 日本7番手の山崎(撮影・江口和貴)

嶋が執念のサヨナラ打!

<9回裏>

先頭の8番坂本が三遊間を破り出塁。9番平田の初球が暴投となり坂本が二塁へ。平田の二ゴロの間に坂本が三塁へ進む。1番秋山がカウント1-2からの8球目を詰まりながらも左前に落とし同点とする。2番中村晃の初球、秋山が盗塁に成功、中村晃は歩いて一、二塁に。3番嶋が三遊間を破り、秋山が生還。苦しみながらもサヨナラ勝ちを飾った

9回裏日本1死一、二塁、アヤラから左前にサヨナラ打を放つ嶋(撮影・野上伸悟)
9回裏日本1死一、二塁、アヤラから左前にサヨナラ打を放つ嶋(撮影・野上伸悟)

<日本先発>

(中)秋山翔吾(西武)

(右)中村晃(ソフトバンク)

(二)山田哲人(ヤクルト)

(指)中村剛也(西武)

(左)筒香嘉智(DeNA)

(一)中田翔(日本ハム)

(三)松田宣浩(ソフトバンク)

(遊)坂本勇人(巨人)

(捕)中村悠平(ヤクルト))

先発投手 菅野智之(巨人)

試合前の円陣で気勢を上げる松田(中央右)(撮影・今浪浩三)
試合前の円陣で気勢を上げる松田(中央右)(撮影・今浪浩三)

<日本メンバー>

<投手>

松井裕樹(楽天=19)

菅野智之(巨人=25)

則本昂大(楽天=24)

沢村拓一(巨人=27)

大谷翔平(日本ハム=21)

前田健太(広島=27)

増井浩俊(日本ハム=31)

西勇輝(オリックス=24)

大野雄大(中日=27)

山崎康晃(DeNA=23)

小川泰弘(ヤクルト=25)

武田翔太(ソフトバンク=22)

牧田和久(西武=30)

<捕手>

炭谷銀仁朗(西武=28)

嶋基宏(楽天=30)

中村悠平(ヤクルト=25)

<内野手>

今宮健太(ソフトバンク=24)

松田宣浩(ソフトバンク=32)

川端慎吾(ヤクルト=27)

坂本勇人(巨人=26)

中島卓也(日本ハム=24)

中田翔(日本ハム=26)

山田哲人(ヤクルト=23)

中村剛也(西武=32)

<外野手>

中村晃(ソフトバンク=25)

平田良介(中日=27)

筒香嘉智(DeNA=23)

秋山翔吾(西武=27)


【プレミア12メモ】

 世界野球ソフトボール連盟(WBSC)主催で新設された国際大会で、4年に1度開催。世界ランク上位12チームが出場する。1次ラウンドは6チームずつ2組に分かれ、各組上位4チームが決勝トーナメントに進む。