阪神金本知憲監督(47)が15日、古巣への復帰が決まった藤川球児投手(35)への期待を語った。まず、なぜ、藤川を必要としたか。指揮官はその理由をこう説明した。

 「まず一番は戦力かどうかでしょ。次に球児の気持ち。帰っておいで、というだけでは取れなかったと思う。彼と話をして非常に燃えているものがあった。『タイガースでやりたい』とね。戦力になっても、やっぱり『俺は前、ストッパーでやっていたんだ』とかオレ流でやらせてくれだったら取れない」

 過去の実績で球児を欲したわけではない。大事なのは今。だからこそ、配慮こそすれ、遠慮や特別扱いはしないという。

 「年齢的に配慮はもちろんしないといけない。高卒1年目も、キャリアを残したベテランも一緒というのはない。ただ、グラウンドでの結果は、実力主義というところでは平等だから」

 投手コーチの意見を聞いた後でと前置きした上で「本人は足りないところをできるようにという感じだから。抑え? スンファンより圧倒的な球を投げたら、そりゃわからない」。

 先発か、リリーフか。あらかじめポジションを用意することなく、チームの戦力状況や、藤川の状態を見て判断するという。

 「『連投も大丈夫』と本人はいっているしね。だから『オフはちゃんと体を作ってこい』とは言ったよ」

 すでに来春へ向けての“注文”も出している。先発から抑えまで。新しい藤川に対し、遠慮抜きの熱い期待がほとばしった。【鈴木忠平】