1人超変革で七変化や! 阪神ドラフト6位の亜大・板山祐太郎外野手(21)が26日、都内のホテルで仮契約を結んだ。契約金3000万円、年俸720万円。目標にする開幕1軍に向け、本職の外野だけでなく内野全ポジションを守る意気込みを示した。阪神はドラフト指名した全6選手と仮契約を終えた。(金額は推定)

 超変革のチームスローガンを、入団前から言い聞かせた。仮契約を結んだ板山は、ドラフト6位ながら金本監督がほれ込んで指名を決めた逸材。「開幕1軍」の野望を果たすべく、ポジションにはこだわらない姿勢を見せた。

 「やれといわれたら出来ます。与えられたポジションを全力でやっていかないといけないと思うんで」

 バッテリーをのぞく全ポジションを守ると、頼もしく胸をたたいた。一、二、三、遊、左、中、右。変幻自在に顔を変え、指揮官の期待に応えるつもりだ。

 18日まで行われた明治神宮大会では右翼手として亜大の優勝に貢献。外野手としてスポットライトを浴びるが内野手としても注目だ。亜大2年時に生田勉監督(49)の勧めもあり外野手に転向した。それまでは二塁手を主戦に内野手として活躍。50メートル6秒0の俊足を生かした守備範囲の広さと遠投110メートルの強肩で、奪ったアウトは数知れない。以前から内野守備は好きだったと語っていた。「(転向後も)守る機会もあるかも知れないので、今でも持っています」と内野用グラブも手入れを欠かさず置いていた。数年のブランクはあるが、そこは「練習は好き。4年間大きなけがもしませんでしたし、きつい練習にも耐えられると思います」と話す練習の虫。人一倍ならぬ「人七倍」の努力で補う心構えだ。

 「チャンスがいつ転がってくるか分からないので。それがどういう形であれつかみたいと思います」

 金本監督の思いを擬人化したような1人超変革の男が、スタートダッシュを全方位で決める。【梶本長之】

 ◆板山祐太郎(いたやま・ゆうたろう)1994年(平6)3月27日、神奈川生まれ。小2より緑中央リトルで野球を始め、山岡フェニックスに移りポジションは三塁手。中学は中本牧シニア。成立学園では1年夏から二塁手でレギュラー。夏の東東京大会は3年連続ベスト4。亜大2年時に外野手に転向しベストナイン3度受賞。家族は父、母と姉。180センチ、79キロ。右投げ左打ち。