タイトルラッシュの2人が、また1つ快挙を達成だ。「2015ユーキャン新語・流行語大賞」が1日、東京都内で発表され、「トリプルスリー」が「爆買い」とともに年間大賞に選ばれた。今季トリプルスリーを達成したヤクルト山田哲人内野手(23)とソフトバンク柳田悠岐外野手(27)の両選手は表彰式に参加。山田は、同席した松岡修造氏の圧倒的なスピーチからプロとしての立ち居振る舞いを学んだ。

 今季トリプルスリーを達成した山田が、柳田とともに流行語大賞も受賞した。プロ野球界からの受賞は99年の「雑草魂」(上原浩治)、「リベンジ」(松坂大輔)以来16年ぶり。壇上で「光栄です。うれしい気持ちとびっくりしている気持ち。プロ野球界をもっと盛り上げられるように頑張りたい」と、緊張気味に話した。

 人前で話すことが得意ではないからこそ、観衆の心をつかむ人の立ち居振る舞いが勉強になった。「まいにち、修造!」で流行語トップテン入りした松岡修造氏の「ウィンブルドンベスト8は松岡修造が自分の力で勝ち取ったものです。『まいにち、修造!』はみんなが僕の言葉を感じ取ってくれた」というスピーチに圧倒された。「まねはできないですけど、自分の話が恥ずかしくなるくらいすごいですね」。お立ち台に上がる機会の多い山田にとって、同氏の話術や声量は最高の教材だった。

 第一線で活躍し続けるための姿勢も学んだ。この日の午前中に、来年1月放送予定のフジテレビ系「VS嵐」の収録に参加。嵐の5人のオンとオフの切り替えに、野球に通ずるものを感じた。「カメラが入っていない時は優しい人って感じが、急にがらっと変わる。自分も練習をする時と休む時の切り替えが大事だと思った」と、極限に磨き上げられた集中力に驚いた。

 23歳の賞ラッシュは止まらない。打率3割2分9厘、38本塁打、34盗塁でトリプルスリーを達成した山田は、11月25日に開かれた「NPBアワーズ」で最優秀選手賞、最多本塁打王、最高出塁率、盗塁王、ベストナイン、連盟特別賞の6つの賞を受賞。流行語大賞を合わせ“7冠”を獲得。「来年もトリプルスリーを達成したい」と目標を定め、現状に満足することはしない。一流芸能人からも刺激を受け、球界の最前線を突っ走る。【栗田尚樹】

<過去の野球界の流行語大賞と球界の主な出来事(00~14年)>

 ◆1986年 清原和博(西武)新人類

 ◆1994年 イチロー(オリックス)イチロー(効果)

 ◆1995年 野茂英雄(ドジャース)NOMO

 ◆1995年 仰木彬(オリックス)がんばろうKOBE

 ◆1996年 長嶋茂雄(巨人)メークドラマ

 ◆1998年 佐々木主浩(横浜)ハマの大魔神

 ◆1999年 上原浩治(巨人)雑草魂

 ◆1999年 松坂大輔(西武)リベンジ

※15年間大賞受賞なし(★はトップ10)

 ▽2000年 二岡サヨナラで巨人V

 ▽2001年 【ヤクルト】若松監督「日本一おめでとう

ございます」が語録賞を受賞

 ▽2002年 松井稼トリプルスリー

 ★2003年 【阪神】星野監督「勝ちたいんや」

 ▽2004年 プロ野球初のスト決行

 ★2005年 【ロッテ】日本一「ボビーマジック」

 ★2006年 【日本ハム】ヒルマン監督「シンジラレナ~イ」

 ▽2007年 ダルビッシュが沢村賞

 ▽2008年 北京五輪GG佐藤落球

 ▽2009年 侍がWBC2連覇達成

 ▽2010年 ロッテが下克上日本一

 ▽2011年 【楽天】嶋「底力」ノミネート

 ▽2012年 金本現役生活20年に幕

 ▽2013年 創設9年楽天初日本一

 ★2014年 【広島】人気で「カープ女子」

 ◆2015年 柳田悠岐(ソフトバンク)、山田哲人(ヤクルト)トリプルスリー