「超改革」の1歩だ! 阪神が来季、初めて「動作解析」担当のスコアラーを置くことが22日、明らかになった。今季まで一塁コーチを務め、投手のクセなどをチェックすることが得意な山脇光治氏(53)が来年1月1日付でスコアラーに就任。動作解析を専門とし、金本新監督の下、新体制となるチームにとって新しい試みだ。

 いわば鉄人“肝いり”の新しいスコアラーの誕生だ。95年に現役引退した山脇氏は96年から今季終了まで長年、コーチ、スコアラーとしてチームを支えてきた。しかしこのオフ、金本監督を招聘(しょうへい)、新体制づくりを目指す前提にあって、新監督の就任決定前にコーチとしての契約が切れた。

 投手がけん制球を送るタイミングなどを厳しくチェックし、盗塁、走塁に生かす山脇氏のテクニックは球界では定評がある。ある球団の首脳陣も「あの人の投手のクセを盗む腕は一流でしょう」と話す。もちろんチーム内でもそれは知られており、今回、その点を強調したのは他でもない金本監督。現役時代は山脇コーチの助言で盗塁を成功させたこともあり、現場を離れることを知るとすぐに連絡。球団を通じ、スコアラー就任のオファーを出した。

 スコアラーは大別すると、対戦球団のデータを集める「先乗り」と、自軍に同行する「チーム付き」がある。過去に先乗りスコアラーは経験している山脇氏だがチーム付きは初めて。今回は相手に加え、自軍チェックも行う「動作解析」担当となる方向。他球団では同様の存在がいたこともあるが阪神では初となる。

 これにより、今季は2人だった阪神のチーム付きスコアラーは3人体制に。分析部門も超変革で、勝利を追求する。