日本ハム大谷翔平投手(21)と、お笑いコンビ、アンジャッシュ渡部建(43)の新春対談はいよいよ最終回です。第3回のテーマは「大谷の未来」。将来的なメジャー志望がある大谷の本音を、渡部の軽快なトークで引き出します。

 渡部 メジャー挑戦を表明していた高校3年のドラフト前。もしいまタイムマシンに乗って、当時の大谷青年に声をかけるとしたら、なんて言う?

 大谷 なんて言葉をかけるかは別にして、直接(メジャーに)行ったのも見てみたいですよ、やっぱり。どうなっているかはわからない。つぶれてしまって、今ごろはもう野球をやってないかもしれないですけど。いまさら後悔もないですし、僕はこれで100%よかったと思ってますけど、もうひとつの選択肢はどうだったか一生わからない。

 渡部 でも日本のプロ野球を経験したことはよかった?

 大谷 もちろんです。(投打二刀流で)2つやれてるのも、あのときにはなかった可能性ですし。遠回りではなく、むしろ近づいたんだと思ってます。

 渡部 いつかメジャーに挑戦するとき、どうなったときに行けたらいいなというのはある?

 大谷 もともとは最初から行きたかったですけど、今は考える余裕がなくなってきてるんですよね。あこがれは、あのときも今も変わってないです。技術が伴ってるから行きたいとか、成長してきているから行きたいというのはまったくない。技術がゼロのときから行きたいところですから。今さら、プロ野球で成績を残したからいけるということではないです。

 渡部 二刀流で挑戦したい?

 大谷 (投打)どっちでも欲しいと言ってもらえるのがベストだと思います。

 渡部 たとえばA球団が、「二刀流で来てくれ。でも年俸はリンゴ10個」と言ったとします。B球団は「リンゴ20個。でも投手一本で」となったら、どっちを選びますか?

 大谷 う~ん…。(二刀流を)やってみたいんじゃないかな、やっぱり。誰もやったことないですから。

 渡部 リンゴ10個でもいい?

 大谷 リンゴ10個で生活できるなら(笑い)。

 渡部 (笑いながら)もちろんこれはたとえで。リンゴ1個がウン億円だと思うから。

 大谷 だったらやりたいです。そこでリンゴ20個の球団を選んでいるなら、最初から(メジャーに)行ってると思うので。あのときにリンゴ10個の方を選んだんだと思ってます。

 渡部 やっぱり見たいのは、スクランブルというか、投げると打つを1試合でやるという「リアル二刀流」(※1)。それはどうひっくり返ってもないですか?

 大谷 それは栗山監督に聞いてもらった方が…(笑い)。でもDHを消してでも、大谷に打たせたいと思わせるくらいの打者になれば、あるのかもしれないです。

 渡部 負担はあるだろうけどね。ファンが本当に見たいのは、そこかもしれません。(おわり)【取材・構成=本間翼】

(※1)大谷が1試合で投手と野手をこなした「リアル二刀流」は13年の2度のみ。6月18日広島戦(マツダ)に「5番投手」で先発し、5回の守備から右翼。8月18日ソフトバンク戦(帯広)では「5番右翼」で先発し、8回から4番手でマウンドに上がった。

 ◆渡部建(わたべ・けん)1972年(昭47)9月23日生まれ、東京・八王子市出身。小学校時代は八王子リトル所属。神奈川大在学中の93年、都立日野高で同級生だった児嶋一哉に誘われ、お笑い養成所のスクールJCAに入学しアンジャッシュ結成。94年デビュー。人気バラエティー番組「アメトーーク!」(テレビ朝日系)で高校野球通、大谷フリークぶりを発揮する。食べ歩きも趣味で、手掛けたグルメ本第2弾「芸能界のグルメ王が世界に薦める!東京最強の100皿」(税抜き1300円)を昨秋に発売。176センチ、血液型はO。