3連勝へ完投を目指す!! 広島野村祐輔投手(26)が12日の中日戦でプロ初完投勝利を挙げた呉市二河野球場のマウンドに立つ。縁のある球場が、今季初黒星を喫した中日にリベンジする場。1人で最後まで投げ切る覚悟でいる。開幕ダッシュの先導者となった14年のように、1週間を白星でスタートさせてチームを勢いづかせる。

 野村が全身を使ってジャンプし、メディシンボールをたたきつける。外野を走って、肩をつくった。「体を大きく使う動きを入れたい。大きく動かすことと、小さく速く動かすことを意識している」。今季から取り入れたルーティンをこなし、前回敗戦の中日へのリベンジを誓った。

 「(先発)メンバーも代わっている。気持ち新たに入りたい。回の先頭を抑えられれば、自分を不利にしなくて済む」

 今季初先発した3月29日ナゴヤドームでは5回まで無失点に抑えながら、6回に連続二塁打を浴びて降板。黒星を喫した。再戦の地は呉市二河野球場。プロ2年目の13年にプロ初完投勝利を挙げた球場で、中学3年のときには広陵関係者の目に留まり進学のきっかけにもなった。縁ある球場で前回の借りを返すとともに、14年以降1度も記録していない完投も目指す。

 「今年は2試合とも6回くらいしか投げられていない。7回、8回…完投するつもりでいきたい。7回まででいいと思ってマウンドに上がる投手はいない」

 チームは開幕から継投がうまくいかず、試合終盤に失点する悪循環に陥る。すでに延長戦も3試合あり、中継ぎ陣の疲労にも影響する。先発の柱となる自覚が、野村を完投へと駆り立てる。

 1週間の初戦の勝敗は、チームの流れも左右する。初戦の重要性は緒方監督も「(初戦を取って勢いづける)それが我々の野球であり、目指す野球」と力説する。広島が、4月まで18勝9敗の好スタートを切った14年。4月の火曜日に4度先発して、3勝1敗でいい流れを作ったのが野村だった。今季も火曜日を託され、1勝1敗。「チューズデー野村」が、14年のような勢いをもたらす投球で、チームを連勝街道に乗せる。【前原淳】