ド派手な攻勢でDeNAが連敗を5で止めた。アレックス・ラミレス監督(41)が久しぶりに高揚感を漂わせた。「本当にうれしい。ベーリーハッピーだ。今までの試合の中で初めて、完璧に近いゲームができた。必要なことは全てできたと思う」と、13安打10得点と息を吹き返したナインの姿に大きくうなずいた。

 打線に火を付けたのは、1番桑原将志外野手(22)だ。先制点を奪った1回、中押しの2点を挙げた2回、一挙5得点の7回はいずれも安打で出塁。3安打2打点3得点の猛打賞の活躍で存在感を示した。2番石川雄洋内野手(29)の活躍も光った。1回無死一塁、広島ジョンソンの外角低めに落ちる変化球に食らいつき三遊間を抜いた。ベンチのサインはエンドラン。完璧に遂行し、先制点をたぐり寄せた。さらに7回無死一塁の場面ではサインの変わった2球目にきっちり犠打を決め、クリーンアップにつないだ。

 打線を呼び起こし、点を線へと変えた、1、2番コンビの仕事ぶりが光った。アレックス・ラミレス監督(41)は「石川にはいつも2番打者として、たくさんのことをやってもらっている。エンドラン、犠打、本当に素晴らしい仕事をしてくれた」とたたえた。

 快勝劇の最後を締めたのは主砲の筒香嘉智外野手(24)だ。ここ数日の試合前練習は、腰にゴムチューブを巻き、後方に引っ張られながらティー打撃を繰り返した。本人が悪癖とする「前に突っ込みすぎる」ことを修正するための練習法を取り入れた。勝負が決した後での1発だったがリーグ単独トップの7号2ラン。「こういう勝ち方ができればいいですよね。ただ、相手がいることなので厳しい戦いもある。そういう中で逆転したりしながら、どう勝っていけるかだと思います」と、もっと前を見た。