プロ野球巨人の元選手笠原将生容疑者(25)が賭博開帳図利ほう助容疑で逮捕されてから6日で1週間。笠原容疑者や他の元選手らは、元飲食店経営斉藤聡容疑者(38=賭博開帳図利容疑で逮捕)と大学院生がそれぞれ胴元役とみられる2つのルートで賭けていたことが判明した。その構図の中心で中継役だったのが笠原容疑者。警視庁は大学院生も立件方針で、全容解明には“第2ルート”の捜査が待たれる。

 福田聡志元選手(32)の賭博への関与が発覚した昨年10月以降、組織犯罪対策4課は当初、笠原容疑者を客の1人とみており、松本竜也(23)ら他の元選手とともに賭博容疑で書類送検することを検討していた。

 だが、松本元選手らへの任意の事情聴取を重ね、携帯電話のメールを復元するなどした結果、元選手らの参加を募って賭け金を集め、胴元役の斉藤容疑者に渡すなど笠原容疑者の積極的な関与が判明。「ただの客ではない。胴元側だ」。組対4課はほう助容疑を適用できると判断した。

 笠原容疑者が斉藤容疑者と知り合ったのは2013年。新宿区の斉藤容疑者の飲食店に顔を出すうちに親しくなった。斉藤容疑者はマージャンやゴルフで賭けをしており、笠原容疑者も間もなく野球賭博を始めるようになったという。

 今回の賭博事件で、斉藤容疑者の他にも胴元役とみられる存在が明らかになった。名古屋市の大学院生だ。昨年9月、福田元選手に借金の返済を求め、一連の野球賭博が発覚する端緒となった。

 中学時代の先輩を通じて14年4月に大学院生と知り合った笠原容疑者。斉藤容疑者から「やり過ぎるな」と賭け金の上限を30万円に設定されると、大学院生とも野球賭博を始め、一緒に違法カジノ店へも通ったという。

 さらに笠原容疑者はマージャン仲間として福田元選手を大学院生に紹介。福田元選手や松本元選手も大学院生と野球賭博を始めるようになったという。斉藤容疑者ルートで中継役を担っていた笠原容疑者を介し、賭博が大学院生ルートに拡大した構図が浮かび上がる。

 笠原容疑者は「家族や同級生、関係者、ファンに申し訳ない。野球賭博をやらなければよかった。反省している」と話し、別の元選手も「どんな罰でも受けるつもり」と後悔を口にする。

 組対4課は今後、福田、松本、高木京介(26)ら元選手を賭博容疑で書類送検、大学院生も立件し、暴力団の関与も含めて全容解明を目指す。