阪神打線が巨人田口にまたも苦しめられた。5番に原口文仁捕手(24)を初起用した新オーダーで挑んだが、再び沈黙した。6回までわずか1安打。7回に連打と四球で無死満塁としてマウンドから引きずり降ろしたが、黒星をつけられず。虎にとっては今季2戦2敗と、新たな天敵となりそうな気配だ。

 いまや「超変革」のシンボルとなった原口を5番に据える「超変革」打線も巨人田口に通用しなかった。4月27日の対戦で9回1点に抑え込まれた巨人の若き左腕を相手に福留を今季初めて3番に上げ、4番ゴメス、そして原口の新しいクリーンアップで臨んだが、やはり1得点だけ。虎党の歯ぎしりが聞こえた。

 1点を先制された1回裏、ルーキー高山の中前打で景気よくスタートしたかに見えたが、その後がまったくつながらない。2番大和が三振、3番福留は三振ゲッツーという最悪の形でこの回を終えると6回まで最初の1安打だけだ。

 片岡打撃コーチ 真っすぐにも変化球にもタイミングが合っていなかった。スピードガンの球速よりも体感で合っていない。7回のワンチャンスだけだった。

 その7回。大和、福留の連打、さらにゴメスの四球でようやく無死満塁のチャンスをつくった。ここで原口は代わったマシソンから粘った末に押し出し四球を選び、そこまでの打線の苦しさを示すように思わずガッツポーズ。

 原口 なんとかうしろにつなごうと思っていたので、あれはよかったと思います。でも勝たないと…。

 騒動になった「コリジョンルール」の一方の主役にもなってしまい、良くも悪くも焦点になってしまった。育成選手から支配下登録され、一気に中心選手になるなど今、もっとも乗っているからか。それでも最後は幕引き打者になり、くちびるをかんだ。

 金本監督 原口はいい押し出しを選んだけど。打線は毎度毎度だね。若い選手も同じようにやられている。主力もそうだけど。競争と言っている以上(結果が出ないと)チャンスはなくなってくる。次の若手、中堅に代わってくる。

 これで貯金がなくなり、再び5割に逆戻り。甲子園でも3連敗となった。宿敵・巨人相手にも引き分け、雨天中止を挟んで甲子園で3連敗…。鉄人率いる猛虎軍団がこのままでいいはずがない。【編集委員・高原寿夫】

 ▼原口が5番でスタメン出場。阪神の捕手がクリーンアップでの先発は、城島健司の10年5月16日楽天戦5番以来。城島は同年、21試合に「5番・捕手」で先発している。また育成経験選手の先発クリーンアップは、狩野が15年8月21日DeNA戦で「3番・右翼」で先発して以来。