今夏の球宴で、ヤクルト山田哲人内野手(23)が全セの4番を務めるドリームプランが浮上した。日本野球機構(NPB)は23日、都内で「マツダオールスターゲーム2016」の開催要項を発表した。第1戦は7月15日にヤフオクドーム(午後7時開始)、第2戦は同16日に横浜スタジアム(午後6時半開始)で行われ、全セを率いるヤクルト真中満監督(45)、全パのソフトバンク工藤公康監督(53)が、互いに相手チームのベストオーダーを選出。会見後には、真中監督が4番山田の構想を語った。

 会見を終えた真中監督は、ニヤニヤしていた。報道陣に囲まれ、夢のプランを明かした。「話題も作らないとね。それが出来るのは、俺しかいないから。(4番・山田の起用は)元気だったら、全然ある。話題も作らないと。『4番・山田か!?』くらいか」。新聞の「見出し」まで考え、報道陣の笑いを誘った。

 約20分前の会見上では、明かさなかった。両監督は互いに、相手チームのベストメンバーを選出。工藤監督が考案した「4番」はDeNA筒香、山田は「1番」だった。それを見た真中監督は「勉強になります。やっぱり、相手からしたら山田は1番を打った方が嫌なのかな。自分のチームの打順も考えていきたい」と話していた。だが、本音は違った。「(1番・山田の件は)リップサービス」といたずらっぽく笑い、帰宅の途に就いた。

 ヤクルトでは、主に3番を任せてきた。今季も48試合全て3番での起用だが、4番プランも頭にはある。「打線との兼ね合いで3番が多いけど。とにかく相手チームにとって、走者がいる時に山田を迎えることが一番嫌なはず」と考える。昨季は、5試合で4番に置いた。バレンティンと畠山の離脱が一番の理由だが、「山田が4番に入ることで彼の前後を打つ打者も勝負しないといけない」と、波及効果も考えている。

 球宴という夢舞台にふさわしい、豪華なプラン。ただ盛り上げるだけではない。「やるからには勝ちたい。内容はいいので、とにかく勝ちたい」。全セの指揮官として、意気込みを口にした。そのための「4番・山田」。話題作りだけではなく、真剣勝負のオーダーだ。【栗田尚樹】

 ◆山田の球宴 14、15年とこれまで2度出場。14年は、2試合で5打数3安打で打率6割。1本塁打をマークした第2戦では、敢闘賞を受賞した。15年は2試合で4打数無安打だった。

<球宴アラカルト>

 ◆ファン投票 投票期間は5月24日から6月19日まで(実施期間は地域や店舗によって異なる場合あり)。投票方法は(1)公式投票用紙(球場、コンビニなどに設置)(2)はがき(あて先は〒100・8779日本郵便株式会社、銀座郵便局留置「プロ野球マツダオールスターゲーム2016ファン投票」係)(3)インターネット(NPB公式サイト)(4)携帯電話。6月1日に中間発表が始まり、6月27日に最終結果を発表。

 ◆その他の出場メンバー 選手間投票(6月30日発表)、監督選抜(7月4日)を加え、セ、パともに28人が出場。

 ◆個人賞 各試合、最優秀選手賞に賞金300万円、敢闘選手賞に賞金100万円が贈られる。

 ◆本塁打競争 各試合前にホームランダービーを実施。ファン投票で選出された4選手(セ2人、パ2人)が参加。トーナメント方式で勝者を決定。賞金50万円。

 ◆作文募集 特別協賛するマツダ社は、小学生を対象に「将来の夢に向けてチャレンジしていること」をテーマにした作文を募集。優秀作品に選ばれた小学生と保護者の2人9組(18人)を第2戦に招待する。

 ◆チャリティーオークション 出場者全員(62人)と審判員の着用したサイン入りユニホームをインターネットオークションに出品する。寄付先などは後日発表。東日本大震災復興支援として、被災地より福岡、神奈川に避難している人を各500人招待する。

 ◆チケット発売 6月10日からローソンチケットで先行抽選受け付け開始。7月6日から一般発売。