亜大が連勝を7に伸ばし、2季連続25度目の優勝に王手をかけた。先発の中村稔弥投手(2年=清峰)が5安打7奪三振、137球の力投で初完封。リーグトップに並ぶ3勝目を挙げた。昨秋2試合2イニングの登板に終わった左腕は、今季27イニング自責点なしで防御率0・00を守った。

 中村稔のボールが、次々と捕手の構えるミットに吸い込まれた。初回、得意の外角低め直球で2者連続の見逃し三振。今秋ドラフト候補の日大・京田陽太内野手(4年=青森山田)に、手も足も出させなかった。球の出どころが見にくいフォームからカットボールやカーブも織り交ぜ、先発2試合目で初完封。「テンポ良くストライクを取れた。完封よりもチームが勝てたことがうれしい」。防御率0・00の最速142キロ左腕は、充実感をにじませた。

 「四球撲滅指令」から、左のエースに上り詰めた。生田勉監督(49)は「開幕2連敗して、(今季は)ダメだと思った。『四球を出すな、ストライクを投げろ』という段階だった」と振り返る。中継ぎで結果を残していた中村稔は、12日の専大戦で初先発。失策絡みの1失点で完投勝ちした。「200球投げ込むとしたら、半分はアウトローの練習をしてきた。制球には自信がある」。今季27イニングで与えた四死球は7個。快進撃の立役者となった。

 逆転優勝を誓い、チームは22日に昭島市内の焼き肉店で決起集会を開いた。中村稔は「監督さんから『明日も(出番が)あるぞ』と言われて、うれしかった。投げて勝ちたいです」と連投に意欲を見せた。国学院大が勝ち点を落として巡ってきたチャンスを、必ずものにする。【鹿野雄太】