復活への1歩を記した!! 右肘痛からの復帰を目指す大瀬良大地投手(24)が、マツダスタジアムに隣接された屋内練習場で離脱後初のシート打撃に登板した。ルナ、プライディら打者4人に対し、14打席対戦。真っすぐにスライダー、チェンジアップなどの変化球も投じ、安打性4本に抑え、2つの三振を奪った。頼れる右腕の復帰のカウントダウン。混戦のセ・リーグで首位を走る広島に、追い風が吹いている。

 大瀬良の表情が、すべてを物語っていた。右肘への不安をぬぐえただけではない。投手としての本能が目覚める打者を相手にした投球で、復活への確かな手応えを感じた。

 「感覚は悪くない。対打者で強度は変わってくるが、腕を振って投げられた。いいボールもたくさんあったと思う」

 春季キャンプ中も含め、シート打撃登板は今年初めてだった。当初予定していた18日は腰を痛め、急きょ回避。1週間遅れでの再出発も「遅れたのは残念でしたが、1日でも早く復帰できれば大丈夫だと考えてやってきました」と前を向いた。腰の不安はもうない。この日の投球を見守った菊地原3軍コーチも「球威も切れも申し分なかったと思う。あとは実戦の中で上げていければいいと思う」と合格点を与えた。

 負傷離脱を機に投球を見つめ直し、リハビリ開始とともに下半身主導に取り組んできた。8日のブルペン投球再開時は「まだばらつきがある」と話していたが、この日は「スムーズになってきた」と自分のものになりつつある。今週末にも2度目のシート打撃登板を行い、実戦マウンドを視野に入れる。早ければ来週頭のウエスタン・リーグ阪神3連戦(鳴尾浜)の復帰も見えてくる。

 「チームの調子がいいのはうれしい。その中に僕も入って、チームに貢献したい。僕が戻ることで、より勢いづいていけるようにと思って過ごしている」

 実戦復帰から2軍で登板イニングを増やし順調に行けば、交流戦後の6月下旬にも1軍に復帰できそうだ。3連勝で混戦のセ・リーグで首位を走る広島に、大瀬良は強くなって帰ってくる。