覚せい剤取締法違反の罪に問われた元プロ野球選手清原和博被告(48)の巨人時代に同僚だった元プロ野球選手野村貴仁氏(47)が31日、判決公判終了直後、高知市内の自宅で取材に応じた。

 清原被告の再犯の可能性について「ちょっとやめられないかな」と不安そうな表情を浮かべた。

 短パンに黒のTシャツ姿の野村氏は自宅の居間に座りながら、金属バットを握った。元同僚の懲役2年6月、執行猶予4年の判決に静かに口を開いた。

 「(執行猶予は)長いかもしれないが、妥当でしょう」

 野村氏は現役引退後の06年に覚せい剤取締法違反容疑で逮捕され、懲役1年6月、執行猶予3年の有罪判決を受けた。覚せい剤を断ち切ることができたのは強い意志だったと明かした。

 逮捕後に読んだ女子高生の体験談が書かれた書籍も参考になった。再び覚せい剤を使いそうになった女子高生は手に入れた覚せい剤を流し台に捨てた。「あの本には女子高生のとてつもなく強い気持ちと気合があった。覚せい剤をやめるにはそれしかない」と自らの体験を振り返った。

 清原被告の逮捕後、テレビのインタビューでは伸び放題のヒゲに仙人のような風貌で反響を呼んだが、判決前に髪形は短くした。清原被告は野球界への復帰を夢見ているとも言われているが、野村氏は「野球界には残れない」。更生へのいばらの道を歩んだ者だけが知る厳しい現実を突き付けた。