日本野球機構(NPB)井原敦事務局長は6月30日、本塁での危険な接触を防ぐため今季から導入されたコリジョン(衝突)ルールの運用基準の見直しについて「実行委員会等で、今後どうするか、見直しをするのかどうかを含めて、議論していただくことになります」と方針を示した。次回の実行委員会は4日で、NPBは後半戦からの見直しを目指している。

 現在は守備側の選手が走者の走路に入れないという運用指針を厳しく適用しているが、見直し案では衝突の有無が重視される。ルールの解釈や適用の判断を巡って現場に困惑があり、判定を不服としてNPBに意見書や質問書が提出される事態が相次いだ。

 検討するのはアグリーメント(申し合わせ事項)の改正ではなく、運用基準の見直し。井原事務局長は「選手の安全を守るという目的は揺るぎないところで、一定の成果も出ている。それを踏まえた上で、検討していく」と話した。

 阪神谷本常務は、NPBから送られてきたDVDと解説書によると、今季コリジョンルールが適用された4件とも、新たな運用基準では判定が覆らないことを明らかにした。5月11日の巨人戦で、阪神原口がアウトのタイミングながら走路をまたいだとしてコリジョンルールが適用されたプレーだけではなく、6月12日のオリックス-DeNA戦で、オリックス山崎勝がDeNA筒香の走路をふさいだプレーなども、新基準ではアウトのままという。同常務は「タイガースとして賛成の立場で実行委員会に臨みたい」と話した。