小久保ジャパンが、来年3月のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)での世界一奪還へ本格的に動きだした。11月の強化試合でオランダと対戦することが4日、分かった。調整中のもう1カ国と合わせて、2カ国と計4試合行う予定。さらに小久保裕紀監督(44)が来月、大リーグ視察のために渡米を検討していることも判明。オランダ代表はソフトバンクのリック・バンデンハーク投手(31)、ヤクルトのウラディミール・バレンティン外野手(32)らが代表候補に挙がる。最強チーム結成へ、最善を尽くしていく。

 昨秋のプレミア12で3位に終わった侍ジャパンが、来春WBCでの2大会ぶり世界一を目指し、オランダと対戦する。今年3月の強化試合は、台湾代表と2試合行い連勝。選手選考やチーム強化がより本格化する11月の強化試合に向けて、水面下で対戦相手の選考、交渉を続けてきた。

 本大会で米国やドミニカなどの強国と対戦する可能性がある小久保ジャパンにとって、投打の軸がそろうオランダは格好の相手になる。投手は今季日本記録を50年ぶりに塗り替える14連勝を達成したソフトバンク・バンデンハークが代表候補に挙がる。09年の第2回WBCに出場し、メジャー経験も豊富。現在は蓄積疲労のために登録抹消中だが、現役メジャー級の実力を誇る最強助っ人だ。

 打者では、13年の第3回WBCに出場したヤクルト・バレンティンが、代表候補に挙がる。13年に日本球界最多の60本塁打を放った屈指の長距離砲。投打の軸になる2人に加え、現役大リーガーが代表入りする可能性もありそうだ。

 対する小久保ジャパンは、エース候補の日本ハム大谷が7連勝中と好調をキープし、巨人菅野も防御率リーグ1位を守る。打線は28本塁打と驚異的なペースで量産するヤクルト山田に加え、4番候補のDeNA筒香らが活躍を続けている。さらにシーズンの活躍次第では、フレッシュな顔触れが侍ジャパン入りする可能性も十分にある。

 来年WBCは、1次ラウンドの対戦相手など、大会全体の詳細は決まっていないが、チーム強化のプランは着々と進む。悲願の世界一奪還へ、打倒オランダから戦いを再スタートする。

 ◆日本対オランダ 日本のプロが参加した対戦の通算成績は、日本の8勝1敗(日本が全員プロの場合は5戦5勝)。08年北京五輪では杉内(ソフトバンク)-田中(楽天)-川上(中日)の継投で4安打完封勝ちした。

 最近では13年WBCの2次ラウンド(東京ドーム)で2度対戦した。1戦目は日本が鳥谷(阪神)の先頭打者弾など6本塁打、先発全員の17安打。投げては先発前田(広島)が、バレンティン(ヤクルト)やジョーンズ(楽天)らを擁するオランダ打線を5回無失点に封じ16-4で7回コールド勝ちした。2戦目も日本が阿部(巨人)の2本塁打などで10得点で快勝した。

 ◆オランダ出身の主な現役大リーガー エンゼルスのアンドレルトン・シモンズ内野手(26)は、守備は現役メジャーでNO・1と評価されている遊撃手だ。オリオールズの二塁手、ジョナサン・スクープ内野手(24)は、今季打率3割1厘、13本塁打をマーク。30球団でトップのチーム本塁打数を誇るオリオールズの若手有望株に挙がる。両選手ともキュラソー島出身で、ともに13年のWBCにオランダ代表として出場した。