【「神ってる」鈴木誠也 初球宴誠也 最高でーす】

 首位広島を引っ張る鈴木誠也外野手(21)の球宴特別企画後編は打撃論。緒方監督から「神ってる」と名付けられた好調な打撃の感覚、秘密を日刊スポーツ独占手記で明かした。

 初めての球宴は最高でした! いろんな先輩と話すことが出来ましたし、カープの先輩たちがアシストしてくださって、なじむことも出来たと思います。ただ2回の無死満塁は力みましたね。でも1点入ったのでよしです。2打席目は僕のプレースタイル。3打席目にやっとちゃんとした安打が出てホッとしました。

 今季、打撃を一から考えてやってきました。そのなかで悟ったのが、トップの重要性でした。好打者はみんな一緒です。トップが深ければ深いほど、いい打者だと感じています。極端な話、構えもフォームもめちゃくちゃでいい。「神ってる」と表現された本塁打もノーステップで打ちました。自分にとってはトップの位置以外は、それくらいどうでもいいことなんです。

 今はまた違う感覚があります。バットの重さを感じながら振るのではなく、バットに振らされているという感覚。9日の阪神戦の本塁打で出た感触でした。イメージはゆっくりタイミングをとって、ゆっくり振る。トス打撃の延長のような感じです。きっかけになるような一打ではありませんが、今でもあの1球を覚えています。たくさんのことを学んで、胸にとどめておいた1月の合同自主トレ。ソフトバンク内川さんが言っていた感覚が出てきたかなと思う部分もあります。

 後半戦は、少しでもチームを勢いづけられるプレーができればと思っています。ヒット、本塁打は結果。それはどうなるか分からないですが、過程は自分の力で変えられる。僕はまだ若いので「あいつがこういうプレーをしたら、俺たちもやらないといけない」と思わせる姿を見せたいです。

 オリックス3連戦での3連発は奇跡です。実力以上のものが出ました。でも昨季は怒られてばかりだった緒方監督にほめられたことが、素直にうれしかったです。それに今回の球宴でも賞をいただいて…。緒方監督に感謝です。今、何をしても「神ってる」とまとめられますが、ある意味楽かもしれませんね。一発屋と思われた方がいいです。ただ「神ってる」はあくまで監督の言葉。僕は「最高でーす!」を推していきますよ。後半も応援よろしくお願いします。(広島東洋カープ外野手)