元プロ野球選手で巨人やメッツなどで活躍した高橋尚成氏(41=野球解説者)が30日、都内で野球教室を行った。宮城・気仙沼市、南三陸町の中学生選抜チーム19人を招待した被災地支援イベント(ハンズオン主催)の中で、メジャーリーグのメッツ時代のユニホームを着て指導。ピッチングだけでなく、バッティングでも丁寧に助言した。

 ピッチングでは重心移動や、踏み出す足の位置など、瞬時に個々の投球を分析して、矯正ポイントをアドバイス。右足の上げ方と右腕の使い方を指導された同じ左腕の三浦佑真くん(気仙沼・歌津中3年)は「自分はフォアボールが続いたり、長打を打たれると、自分で崩れてしまう。その時に思い出して投げたい」と喜んだ。野球以外でも震災をきっかけにライフセービングを学び、全国中学生大会2連覇中。高校までは野球と学業を両立し、将来は消防士になることが夢だと言う。

 バッティングでは、イチロー(マーリンズ)や青木(マリナーズ)など、メジャーリーガーの打ち方を例に出しながら、興味をひかせた。熊谷爽良(そら)くん(気仙沼・唐桑中3年)は「青木選手の後ろ足を残した打ち方を教えていただいた。ずっと気づかなかったことを言ってもらえたので、これから高校に向けても参考にしたい」と感謝した。

 高橋は「楽しいスポーツだから、負けた時、つらい時も、最後は笑顔で終わってほしい。僕も小、中、高校、大学、社会人とアマチュアをやってから、プロを16年間やった。僕もそうだったけれど、長い野球人生を楽しんでほしい」と、最後にあいさつ。イベントは31日に東京ドームでの野球観戦や、港区の球児との交流戦などが用意されており、8月1日に宮城へ帰る予定だ。