ピンチで、ロッテ関谷亮太投手(25)は自分を見失わなかった。1-0の4回1死から連打を浴び、一、二塁。オリックス中島を迎えた。「投げ急ぐ癖がある。間を取って、落ち着いて」と一呼吸入れた。3球で追い込み、最後はボールゾーンに落ちるチェンジアップで空振り三振。次の川端は外の真っすぐを打たせ、二直で切り抜けた。後は危なげなく、7回6安打無失点で4勝目を手にした。

 5月後半の初登板初勝利から3連勝と乗ったが、6月15日を最後に勝てなかった。約2カ月ぶり白星も「意外と、そんなにたってないです」という。勝利投手の権利を得ながら、リリーフ陣が逆転を許すこと、2回。運もなかったが「試合を作って貢献したい。1軍で投げる喜びがあります。いつも、後ろの皆さんに助けてもらっている」と感謝の気持ちが大きかった。勝ち負けの結果より、自らのレベルアップに徹した。

 取り組みの1つが、チェンジアップの使い方だ。以前は右打者に投げることは少なかった。「右だと振ってくれない」のが理由。ただ、右打者の被打率(この試合まで3割1分7厘。左は1割8分3厘)を考えると、球種が減る影響は無視できない。ここ数試合は右にも積極的に投げ「低めに投げれば振ってくれる」と手応えがあった。この日も、4回のピンチで右の中島に空を切らせた。「右にも、左にも、まんべんなく投げられました」と喜んだ。

 伊東監督は「いいものを出してくれた」と評価した。勝ち頭の石川に続く新人右腕の好投で、チームは3連勝だ。【古川真弥】