今秋ドラフトの超目玉右腕、創価大の田中正義投手(4年=創価)が21日、完全復調をアピールした。東京・八王子市内の同大グラウンドで行われた練習試合の近大産業理工学部戦に先発。右肩痛での戦線離脱後、初の実戦で3回を38球、無安打無失点に抑えた。無四球4奪三振に「不安も大きかったですが、マウンドに立つと楽しさを感じられた。(負傷後)初めてとしては上出来かなと思う」とうなずいた。

 立ち上がりからモノが違った。1回先頭から4者連続の空振り三振。「悪くなかった」と振り返った直球は自己最速にあと2キロに迫る154キロをマークした。それでも右打者への外角球が「甘くなってしまったので、いい球がいくようにしたい」と、引き締めることも忘れなかった。焦りを必死に抑え、リハビリに励んできた。4月23日の東京新大学リーグ、共栄大1回戦で右肩痛を発症。エース、主将としてチームに貢献出来なかった日々に「今までで一番しんどかった4カ月。申し訳ない思いもあった。でも投げたい気持ちを何とか押し殺して、秋に100%で投げられるように切り替えました」。秋の完全復活だけに照準を合わせ、黙々と肉体の再強化に努めた。

 この日はプロ9球団のスカウトが熱視線を送ったが「今は将来を考える余裕はないです」と言い切った。最後の秋季リーグ戦は、9月10日の高千穂大戦で幕を開ける。「自分の思い描く投球を100点とすると、今日は60点。優勝に貢献できるように、秋は必ずリベンジしたい」。有終の美だけを見据え、全力で腕を振る。【佐竹実】